ネガティブなことも「祭りだよ」と鼓舞
山口 そのとき、とにかくいろいろな書籍を読んだそうですね。
河野 はい、自分の思考を変えたくて「ポジティブシンキング」というキーワードの書籍を買いあさり、手当たり次第に読みました。今となっては、どんな本を読んだか覚えていないほど読みましたね。
でも、その甲斐あって、考え方のスイッチを入れ替えれば、周囲への伝わり方が変わることがよくわかりました。
例えば、会社で理不尽なことがあったときに、同僚と連れ立って飲みに行って愚痴を言うとする。すると会社のことがさらに嫌いになって、翌朝会社に行きたくなくなる――そんな負の連鎖が起こります。
そこで、枕詞を変えることにしました。「会社で、超面白いことがあったんだよ!こんなの普通、ありえないよね」と、嫌なことをネタにしてしまうんです。すると不思議なもので、聞いている側もポジティブに受け止められるんですよね。
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山口 さまざまな事象をいかにポジティブに消化するかということは、リーダーにとって大切なことだと思います。そうしないと、チーム全体の空気がネガティブに傾いてしまいますから。そのことに、20代のときに気づかれたのですね。
河野 上から大きな決定事項が下りてきたときに、現場に伝えると「えーーーー!」と批判めいた反応が返ってくることもあるのですが、「祭りだよ、祭り!」と逆に鼓舞するようにしています(笑)。
すべての仕事は必ず終わりがありますから、せっかくなら冷めた態度で臨むより、乗っかってしまったほうが楽しいはずですよね。