広告の費用対効果を上げ続けるカギは「A/Bテスト」
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クリエイティブは絶対に水物にしてはならないが、毎回広告の費用対効果が上がるクリエイティブをつくり続けることは広告のプロにとっても至難の業である。
そこで有効なのが「A/Bテスト」による、事実ベースのクリエイティブ選定だ。
ダイレクトマーケティングに携わっている人なら、「A/Bテスト」という言葉は必ず1度は聞いたことがあると思う。オフライン時代から使われてきたある意味、昔ながらの手法であるが、「A/Bテスト」は広告の費用対効果を半永久的に改善し続けるための現役最強の手法である。ネット広告は最高に正確な「A/Bテスト」ができる媒体なので、そこを有効活用しない手はない。
ネット広告にはさまざまな要素があり、キャッチコピーひとつでも、コンバージョン率には最大2~3倍の違いが出てくる。
コンバージョン率が3倍になるということは、CPAが3000円から1000円になるということであり、1000万円を使った広告キャンペーンを行う場合は、申込数が3333件から10000件になるということだ。コンバージョン率が上がるインパクトはこれほど大きいのである。
ここまでくれば、「仮説ベース」で選んだクリエイティブをいきなり大規模な本番キャンペーンに投入することがいかにハイリスクでもったいないことか、理解いただけたはずだ。
「A/Bテスト」でネット広告の費用対効果を改善するためには、本番キャンペーンをやる前に小規模なテストキャンペーンで「A/Bテスト」を行い、最も広告の費用対効果の高かった広告原稿とランディングページに絞り込んでいくことが大事である。
その結果、最も広告の費用対効果が高かった1位のクリエイティブで本番キャンペーンに挑もう。これが事前クリエイティブテストである。「そんなことか」と思ってしまうくらいシンプルだが、“統計”という事実ベースなので確実に広告の費用対効果が上がる。
面白いことに、小規模な事前クリエイティブテストで出たクリエイティブのランキングは、より大規模な本番キャンペーンになってもほぼ99%の確率で同じランキングになる。