2021年6月15日から7月13日にかけて、Repro株式会社が、自社のデジタルマーケティング業務に携わっている役職者に対して、「Webサイト活用状況に関するアンケート(有効回答者数254名)」を実施した。今まさに企業が抱えているデジタルマーケティング課題とその解決策について、Repro株式会社 取締役 CMOの中澤伸也がレポート・考察する。
結論。デジタルマーケティング最大の課題は「ノウハウ・人材不足」である
すでに言い尽くされていることですが、2020年初頭から今なお続いているコロナ禍は、消費者の行動に大きな変化をもたらしました。購買チャネルのデジタル・オンラインシフトです。それに伴い、デジタルマーケティングの重要性がこれまで以上に急速に高まっています。
Repro(リプロ)株式会社は、Web・アプリを問わず、デジタルでの顧客コミュニケーションを最適化し、企業の収益を最大化するために、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム「Repro」を提供する会社です。デジタルマーケティング領域で課題を持っているお客様と直に接することになります。
そんななか、ぜひ我々の手で明らかにせねばならないと、ひしひしと感じていたことがありました。購買チャネルのデジタル・オンラインシフトによって大きく収益を伸ばした企業がある一方で、収益が停滞もしくは減衰している企業がある。この背景や要因についてです。Webサイトやアプリの活用に注力しているのはどの企業も同じ。しかし、その成果には大きな差が表れているのです。
そして僕には、自身の経験とマーケティングの責任者の方々と接する中で生まれた、ひとつの仮説が存在しました。デジタルマーケティングの成果を左右している最大の要因は、「人材・組織なのでは?」というものです。
結論からいいましょう。この仮説は今回の調査で概ね立証されたと考えています。下のグラフを見てください。「お勤め先のデジタルマーケティングに関する課題は何ですか?」という設問に対する回答です。
実に59.4%の方が「デジタルマーケティングの知見があり、施策を実践できるメンバーが足りない」と答えています。また、59.1%の方が「デジタルマーケティングに関わる人数が不足している」と回答。デジタルマーケティング需要の増大に、人材や組織が追いついていない状況が推察されるのです。
専任担当者の有無が成果創出の分水嶺になっている
デジタルマーケティングにかかわる組織体制や人材を深く調査していくと、さらに興味深いデータも見えてきました。下のグラフは、主要なデジタルマーケティング領域と人材配置が成果にどのように影響するかを表したものです。
「取り組んでおり十分な成果を出せている」と答えた方の比率は、「デジタル広告」「CRO(WebサイトのCVRを向上させる活動)」「SEO&コンテンツマーケ」「CRM」の全領域で、「専任の担当者がいる」ほうが大きいという結果に。「デジタル広告」で27.3%、「CRO」で28.9%、「SEO&コンテンツマーケ」で26.9%、「CRM」で15.7%、「専任の担当者がいる」ほうが上回っています。
今やデジタルマーケティングの領域は細分化され、それぞれの領域における専門深化が進んでいます。その中においては、その領域に対していかに集中して業務を行い、ノウハウを蓄積できるかが成果を左右します。そのような理由から、専任担当者の有無が、デジタルマーケティングの成功、ひいては企業の成長のキードライバーであるといっても過言ではないかもしれません。
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