ドミノ・ピザでも話題化に成功
2016年に、CMOとしてドミノ・ピザ ジャパンに入社しました。同社は、CMOが売上にまで責任を持つ体制。日々の売上をつくる施策と、話題をつくるキャンペーンを並行して考え実行することが求められました。入社して最初に取り組んだのが、クリスマス需要の獲得でした。
クリスマスと言えば、誰もが想起するのが「ケンタッキーフライドチキン」で、もはや一人勝ちと言ってもいい状況です。
しかし、ドミノ・ピザにとってもクリスマスは書き入れ時。平日の売上が、休日には倍に跳ね上がり、クリスマスとなると単日でさらにその数倍を売り上げますから、失敗できない重要な1日です。
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クリスマスイブとクリスマスの両日は、予約持ち帰りのお客さまが殺到し、お客さま同士の喧嘩が勃発したり、警察が出動したり、路上駐車していたお客さまの車が撤去されてしまったりと大混乱が生じてご迷惑をおかけしましたが、クリスマス単日の売上がそれまでの記録を数10%更新する大きな成果を得ました。
また、同年12月5日にスタートし、22日までの期間限定で行った「ドミノ・ピザ 年末クーポン大そうじ祭り」も、大きな話題になりました。
ドミノ・ピザのクーポンに限らず、世の中のありとあらゆる“紙”のクーポンをデリバリースタッフに渡すと、ピザを全品28%オフで購入できるというものです。間髪入れずに、「ケンタッキーフライドチキン」のクリスマスCMでおなじみのあの楽曲を使用した“パクリ”CMをオンエアし、こちらもソーシャルメディアをざわつかせました。
一つひとつの施策は一見バラバラに見えますが、一連の流れの中で段階的に話題度を高め、クリスマス当日に売上のピークを持っていくという設計になっています。
これまでのキャリアの中で培ってきた知見を総動員した、ひとつの“完成形”といっていいクリスマスキャンペーンだったと思います。