ミツカンとジュビロ磐田のユニフォームのロゴが似ている…? Jリーグチームのジュビロ磐田が2022年シーズンからスポーツブランド「Admiral(以下、アドミラル)」とオフィシャルサプライヤー契約を締結。それと同時に、ユニフォームに描かれているアドミラルのロゴが大手食品メーカーのミツカンのロゴに似ていると X(旧 Twitter、以下 X)上で大きな話題となった。
その後、話題になっただけにとどまらず、2023年にミツカンはジュビロ磐田とスポンサー契約を交し、アドミラルを含めた3社でのコラボ企画も展開。それ以降も契約を継続し、2025年のスポンサー契約が2025年1月27日発表された。
ミツカンとジュビロ磐田は、どのような背景や経緯から、スポンサー契約に至ったのか。今回の契約に関わった、ミツカンCRM推進部メディアPR課 課長の田中保憲氏、ジュビロ 事業本部 運営部 営業グループの増田悠氏、アドミラルを展開する豊通ファッションエクスプレス ブランド・ライセンス部 第1課 根鈴千陽氏に、スポンサー契約の経緯と効果、今後の展望などを詳しく聞いた。
その後、話題になっただけにとどまらず、2023年にミツカンはジュビロ磐田とスポンサー契約を交し、アドミラルを含めた3社でのコラボ企画も展開。それ以降も契約を継続し、2025年のスポンサー契約が2025年1月27日発表された。
ミツカンとジュビロ磐田は、どのような背景や経緯から、スポンサー契約に至ったのか。今回の契約に関わった、ミツカンCRM推進部メディアPR課 課長の田中保憲氏、ジュビロ 事業本部 運営部 営業グループの増田悠氏、アドミラルを展開する豊通ファッションエクスプレス ブランド・ライセンス部 第1課 根鈴千陽氏に、スポンサー契約の経緯と効果、今後の展望などを詳しく聞いた。
SNS上のやり取りが3社の関係を紡いだ
―― 大きな話題になった、今回のミツカンさんとジュビロ磐田さんとのコラボレーションが始まったきっかけを教えてください。
田中 私たちミツカンがジュビロ磐田さんのスポンサーになったのは、ある偶然からスタートしました。それは2021年12月にジュビロ磐田さんがアドミラルさんと2022年シーズンのオフィシャルサプライヤー契約を発表。
その情報がスポーツ紙やニュースで話題になる中、Xでは「アドミラルさんのロゴがミツカンのロゴに似ている」といった、ジュビロ磐田さんの多くのファンからの投稿であふれていました。
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ミツカンCRM推進部メディアPR課 課長
田中 保憲 氏
ミツカンに入社後、開発、工場、商品企画などを経て、2022年よりCRM本部に所属。 SNS、PRなどを通じ、商品を超えて、ミツカンという会社自体のファンを増やすためのマーケティング戦略立案と実行を主導。
田中 保憲 氏
ミツカンに入社後、開発、工場、商品企画などを経て、2022年よりCRM本部に所属。 SNS、PRなどを通じ、商品を超えて、ミツカンという会社自体のファンを増やすためのマーケティング戦略立案と実行を主導。
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私たちミツカンは200年以上続く歴史ある企業で、ロゴも明治時代に誕生しました。それらの投稿に反応したい気持ちはありましたが、会社としてはロゴの話題に触れるのはセンシティブな状況でした。ただ当時のミツカンは、ファンづくりのために、これまで以上に双方向のコミュニケーションを取っていく必要があるタイミングだということも自覚していました。
そこでまずは、アドミラルさんのロゴが入ったユニフォームをジュビロ磐田さんの選手が着ている写真の投稿に対して、ジュビロ磐田さんにもアドミラルさんにも言及することなく、「最近よく『似てる』という投稿を見かけます(笑)」と引用リポストしました。
また、X上で「似てる」「似てない」というアンケートを取った結果、約6000人中の96.2%の人に「似てる」と回答しました。その後、ジュビロ磐田さんの公式アカウントからも反応していただきました(笑)。
増田 その投稿に対して、ジュビロ磐田の公式Xアカウントから「奇遇ですね!私たちもです(笑)」と引用リポストしました。我われとしても、スポンサー企業以外の公式アカウントに呼びかけるのは異例でした。
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ジュビロ 事業本部 運営部 営業グループ
増田 悠 氏
2018年10月より、ジュビロに中途採用で入社。以来現在まで法人営業の業務(契約、商材開発、アクティベーション対応等)を中心に、ホームタウン浜松市担当などに従事。
増田 悠 氏
2018年10月より、ジュビロに中途採用で入社。以来現在まで法人営業の業務(契約、商材開発、アクティベーション対応等)を中心に、ホームタウン浜松市担当などに従事。
根鈴 その様子を見て、本国イギリスの公式アカウントから英語で「Cook us up something tasty eorthe match!(選手のために何かおいしいものをつくってください!)」とリプライがありました。
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田中 これがひとつのターニングポイントになり、ジュビロ磐田さんとのやり取りが始まりました。ただ当社は、スポーツへのスポンサー経験がなく、ロゴも自社以外の場で活用したことがなかったので、大きなハードルを感じていました。
そこで、まずはスポンサーではなく、ジュビロ磐田さんのキャンプ地の鹿児島に、当社の商品を応援の気持ちで大量に送りました。それが2022年1月頃ですね。そうしたら、ジュビロ磐田さんが、選手が商品を使っている写真を投稿してくれたのです。
増田 その当時、ミツカンさんとはスポンサー契約を結んでいなかったので、普段であればしないことです。ただ、ファン・サポーターも気にしており、選手の中でも盛り上がっていたので腹を括って「やれるところまでやろう」という意気込みでした。