電通は10月22日、世界的な音楽ストリーミングサービス「Spotify」の広告効果を測定・可視化する新しいサービス「SONATA(ソナタ)」の提供を開始した。スポティファイジャパンと「計測パートナーシップ協定」を締結し、「Spotify」広告の効果検証、マーケティングROIの可視化に取り組むことで、急成長するデジタルオーディオ広告の存在感を高め、マーケティングにおける活用を高度化する。

 具体的には、Spotifyの広告接触ログと、電通が保有する各種データ(サイト来訪データ、購買データ、テレビ接触データなど)との統合分析により、テレビCMやラジオCM、デジタル動画広告など他の広告媒体とSpotify広告との比較分析や統合リーチ計測が可能になり、Spotify広告の効果を多角的に検証できるという。

 さらに、電通の既存サービスである、オーディオ広告の統合プランニングシステム「オーディオトータルアロケーション」を併用することで、「予算の最適配分から効果検証までを一気通貫で行う」としている。


(図表)「SONATA」イメージ図
出典:電通 プレスリリース

 背景には、デジタルオーディオ広告市場の急拡大と課題がある。世界で6億9600万人以上が利用するSpotifyをはじめとして、ユーザーの趣味嗜好に合わせてパーソナライズされた広告をダイレクトに届けられるメディアとして注目を集める一方で、効果検証の高度化が不十分だとされてきた。

 電通はSpotifyの趣味嗜好データや楽曲聴取データの活用を通じて広告効果の分析・プランニングの高度化を図るとともに、クライアントデータとの統合を可能にする「Spotifyデータクリーンルーム」の開発・強化を目指し、「オーディオ広告分野におけるデータドリブンなPDCAサイクルの加速を図りたい」とコメント。今回の発表と同時にデジタルオーディオ広告の「現在地」と提言をまとめたレポートも公表し、市場の成長性や生活者の聴取スタイルの変化、他メディアとの相乗効果などを、国内外の調査データや事例を交えて紹介した。

※サムネイル画像の出典は123RF