ロジスティクス4.0に向けた取り組み
当社でも物流クライシスの影響は大きく、配送センターの稼働率をあげてコストを少しでも薄める目的で、フルフィルメントをオープン化して、いろいろなブランドがシェアして共同利用する取り組みを数年前に始めることにしました。
そのために行ったのが配送センターの「API化」です。APIとは外部のシステムから呼び出して利用するためのコネクターのようなもので、API化したことにより当社以外のECサイトからも当社の配送センターに出荷指示を送信できたり、配送センターからの出荷実績を受け取ることができたりするようになりました。
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配送センターのよくある課題として、年間や月の上中下旬、場合によっては曜日による繁忙と閑散の物量の波動があります。繁忙日に備えてリソースを増強すると、閑散日にはそのコストが販管費に重くのしかかることになります。API化により複数のブランドが配送センターを共同利用することで繁閑の波をなるべくフラットにして、装置産業でもある物流センターの稼働率を常に100%前後することが1件あたりのコストを最も希薄化できるため、日々予測とリソースのコントロールを行っています。それでも物量の予測は難しく、今後AIによるビッグデータ解析で精度向上を行っていきたいと考えています。
マテハン(物流設備)のIoT化
また、重厚長大になりがちなマテハンとよばれる物流設備と相性の良くない出荷にも対応するために、小型のIoTデバイスと液晶画面とバーコードスキャナーを備えたカートを自社開発し、配送センターのWMSという在庫のロケーション管理システムと無線LANでつなぐことで、広大な館内を誰でも画面に表示された位置情報から最短経路で歩行しながらピッキングすることができる「グランドピッキングシステム(GPS)」を開発し、先程の「スカイポーターシステム」と組み合わせながら日々の出荷をバランス良く行っています。
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写真はそのカートピッキングシステムの試作機で手作り感満載のため小さい画像にしています。というのも、福岡市にあるトライアルさんに視察におじゃまして話題の「スマートレジカート」を初めて見せてもらったときには他人(他機?)とは思えず大変感動し、嬉しさのあまり後日セミナーで代表の方に初めてお会いしたにも関わらず熱く話かけてしまいました。
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今後、トライアルさんのカートのように見た目もスマートに改良したいと思っています。
さらに、5Gになると高速かつ大容量のやり取りできるため、ピッキングや梱包などの物流作業ロボットを5Gで接続されたカメラ越しに外部から遠隔で操作したり、深夜作業は時差の関係で昼間になる海外のリモートワーカーに委託するなど想定したりしながら、今後の配送センターのあるべき姿を模索しています。