体験とライブコミュニティが重要
このような変革の中で、中国の消費者インサイトはどのように変化しているのだろうか。陳氏は、「中国ではすみずみまで教育が行き渡り、国民全体の知識レベルが上がっています。その結果、消費者は商品の"品質"に非常に敏感になり、質の高いものを求める傾向が強くなりました」と話す。そこで重要になるのが、体験だという。
「中国の消費者はスマホで商品の情報や評判を見ただけでは、購入のステップにはなかなか進みません。自ら体験して試して納得してから購入したいのです。たとえばマンガはデジタルで数ページ試し読みをして、面白ければ購入する。ゲームも、楽しさを確認しないと購入してもらえないので、実際に遊んでもらうようなキャンペーンが主流です」
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そのコミュニティとして注目しているのは、Toutaio傘下の動画アプリ「TIK TOK(ティックトック)」。昨年から日本でも若者を中心に人気が出ているショートビデオコミュニティで、オリジナルの楽曲に合わせて口パクで踊ったり動いたりする、わずか15秒の動画サイトだ。
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「動画はWechatやウエイボーでシェアできます。これからさらにユーザーが増えていくため、情報拡散に大きな役割を果たすようになるのではないと予想しています」(陳氏)
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