社内でデータ活用を推進するための活動
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次に、データにおける組織のステージに合わせて、各社のデータ活用の状況が語られました。リンナイの加賀氏は「当社はデータの活用を始めたばかりで、まさに『①抵抗感がある』のフェーズをこれから脱却しようしているところです。まずは、分析ツールの整備やB2Bのビジネスパートナー向けにさまざまな接点を設け、そこからうまくデータ収集し、加工や分析を取り組み始めています」と、組織として「②興味がある」フェーズに移行しようとしている現状を語りました。
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一方で、NECの中島氏は「ファイナンスやHR領域では、先行してデータ活用は進んでいましたが、2022年からはDMO(Data Management Office)のとしてマーケティング領域も参画し、データ活用が活性化しはじめました」と語ります。すでにNECでは「③認識がある」から「④精通している」のフェーズに移り始めていることがわかります。
新田ゼラチンの毛利氏は「部署や社員の間でも、リテラシーの差があり『①抵抗感がある』、『②興味がある』、『③認識がある』で分かれています」と話します。ここで毛利氏が印象的なスライドを提示します。
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毛利氏は「社内でもリテラシーに差があるため、マーケターのミッションとして人事や総務も含めた全社員に対してデータ分析のセミナーを行うなど、データの民主化と人材育成に注力しています。データを活用して結果が出せるようになると、仕事が楽しくなり、社員の満足度も高まっていきます」と、データ活用のメリットを語ります。
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毛利 英輔 氏
これは非常によい取り組みだと思います。「データで社員を磨く」という視点は、マーケティング担当として必要な視点です。