新ブランドコンセプトは、入念なテストマーケティングにより最適なものを選択
――新しいブランドコンセプト「いい未来は探せる」は、どのようにして導き出したのでしょうか。
新ブランドコンセプトを考えるにあたって、今までのトンマナからどこまで振り切って変えるのかという難しさがありました。
アルバイトやパートの仕事を探している人と、正社員の仕事を探している人を対象に調査しました。仕事を探す理由として、どちらも最も多かったのは「収入を得るため」でした。しかし、アルバイトやパートの場合、その次に「余剰の時間で仕事をしたい」が続き、正社員の場合は「自分のキャリアや将来を開拓したい」が続きました。

先ほどお伝えした通り、これまでのIndeedはカジュアルで軽いイメージに寄っていま したが、正社員の仕事を探す人にもアプローチするためには、ある程度堅いコンセプトにする必要がありました。ただ、あまり壮大で重たいイメージにし過ぎると、それはそれで求職者のみなさま に受け入れられがたくなってしまいます。「いい未来は探せる」というフレーズは社内で何度も議論を重ね、いくつかの候補の中からテストも行いました。
テストマーケティングでは、求職者 の何割が受け入れてくださるのかという定量調査と、「なぜそれがいいと思ったのか」をインタビューする定量調査を実施しました。「いい未来は探せる」というフレーズには、変化の激しい現代で不安を抱えてしまう状況でも絶対にいい未来は探せるから、ぜひ一歩踏み出してほしいという想いが込められています。

――今回、ブランドコミュニケーションを全面刷新することに不安はありませんでしたか。
もちろん、不安はありました。ただ、その不安を解消していくために先ほどのテストをはじめ、いろいろな形で失敗する確率を下げていく施策に取り組みました。マーケティングの世界では当たり前のことですが、それをきちんと丁寧に行うことで、リスクを最小化して意思決定ができるようにしているんです。
私自身は過去にテストをした経験もあるので自信はありましたが、日々現場でお客さまである企業の採用担当の方々と会話しているセールスの声も大事にしました。マーケティング チームだけではなく、社内でさまざまな人を巻き込んでフィードバックを得ながらコミュニケーションを設計しました。