ファミリーマートは12月19、20日、東京都渋谷区のMEDIA DEPARTMENT TOKYOで、ファミマのチャレンジ大発表会「FamilyMart FEST.2025(ファミフェス2025)」を開催した。
2回目となる今回のテーマは「あそべるコンビニ」。ファミフェスは「もっと日本を元気にしたい」という思いから生まれたファミリーマートの“挑戦”を披露するイベントで、2023年の1回目はコンビニ業界初のファッションショーを開催して話題になった。
会場には「お買い物アトラクション」や「推し活ファミマプリント」など、さまざまなエンターテインメントコンテンツを体験できる8つのブースが設けられ、来場者は限定グッズが手に入るクレーンゲームや、ファミマプリントを活用した推し活グッズづくりなどを楽しんだ。
会場に設置されたクレーンゲーム。人気キャラクターのぬいぐるみなどが取れる。店頭アミューズメントの設置は全国で5000店規模を目指すという。
テーマを「あそべるコンビニ」にした背景には、インバウンド需要の回復によって日本のアニメやゲーム、音楽といった文化が世界で注目を集めているほか、推し活ブームに象徴されるようにエンターテインメントコンテンツへの一人あたりの支出額が増え続けているなど消費傾向が変化していることがある。
こうした状況を受け、ファミリーマートはアニメやゲームといった人気のIP(知的財産)とのコラボレーション強化を打ち出し、コンビニを「単なる便利な購買の場」ではなく、日本文化の発信拠点にアップデートしたい考えだ。
ファミリーマート 代表取締役社長の細見研介氏は、ファミフェス一般公開に先立つ12月17日の記者発表会で「我々が持っている顧客IDなどのインフラを使えば、極めて良質なコンテンツを世の中に向けて発信できる。リアルとデジタルの両面でインフラの整備が一区切りついた」と説明。「このインフラにIPを乗せて、世界に向けてIP戦略を打ち出していく」と述べた。
アジェンダノート編集部は、ファミリーマート CMOの足立光氏にIP戦略の背景や狙いなどを聞いた。
インタビューに応じたファミリーマート CMOの足立光氏
ーー細見社長が「IP戦略を打ち出していく」とおっしゃっていましたが、その背景と狙いを教えてください。
細見が話したように、ファミリーマートはインフラ側として、結構いろいろなものがそろってきたということがあります。
顧客のIDがあって、それもかなりの数がそろっている。そこにIPを乗せれば、もっと商品が売れるかもしれないし、かつIPを育てることもできるかもしれない。つまり、IPを生かせるようなインフラが準備できたというのは一つあります。
そして、社内的にIP活用の重要性が認知されるようになってきました。「ポケモン」や「鬼滅の刃」などいろいろメジャーなIPと組めるようになってきましたし、それが社内で「売れるよね」と認識されるようになってきたわけです。
まとめると、一つ目はインフラが整ってきた。二つ目はさまざまなIPとの関係構築ができてきて、他社以上に強力なものになってきた。三つ目は、社内の体制ができてきた。これが、IP戦略を打ち出していくことを決めた背景です。
ーー今回のフェスは「あそべるコンビニ」ということで、「遊ぶ」ということを全面的に打ち出されましたが、この狙いと背景を教えてください。
エンタメの分野は、世界的にものすごく伸びています。人は豊かになっていくと、どんどんエンタメに興味・関心が向くようになるのです。
10年前に日本のIPがこんなに世界を席巻したことはなかったですよね。その頃とはIP消費の規模感が圧倒的に違いますし、一部のIPだけでなく非常に多くの日本のIPが海外に進出しています。そういう意味では、日本のIPがグローバルで認知される存在になりつつあり、しかも大きくなりつつある。
そこで、「遊び」をメインコンセプトに据えてエンタメの流れに乗ろうという話になり、「リテールエンターテインメント」または「あそべるコンビニ」を打ち出すことになりました。「遊び」というのが、衣食住の次にみんなが欲しいものなんですよね。
日本のコンビニは海外、特にアメリカのコンビニとは全然違って、エンタメ性があります。東京にいるとそういうふうに感じないかもしれませんが、地方に行くとコンビニはエンタメなんです。それをもっと打ち出していこうという考えです。
ーー今年は食品ロス削減の取り組みである「涙目シール」のフリー素材化が話題になりました。こういう社会全体を巻き込んだサステナビリティに関する施策もブースで紹介されていました。この取り組みも、「フードロス対策も、楽しみながら」というような、エンタメの要素を感じますね。
サステナビリティにエンタメの要素を加えているのは我々くらいじゃないでしょうか。
食品ロスを削減する活動で、「たすけてください」というメッセージと涙目の食品キャラクターを組み合わせた、いわゆる「涙目シール」が今年、環境省の「グッドライフアワード」などさまざまな賞をいただきました。
この涙目シールはもちろん、来年もいろんなバージョンで展開していきます。また、実はファミリーマートには、地域の食支援と食品ロスの削減を目的に2021年4月に始めた「フードドライブ」という活動があり、こちらでもIPコラボなどユニークな取り組みを展開していきます。
やっぱり、参加する方々が楽しめるようにしないと。それがサステナビリティと意識していなかったとしても、参加者が増えていくのはいいことですからね。今後も、楽しく社会貢献していける取り組みをどんどん拡充していきます。
「涙目おむすび」と写真が撮れるブース。今年は涙目シールのフリー素材化が話題になった。
2回目となる今回のテーマは「あそべるコンビニ」。ファミフェスは「もっと日本を元気にしたい」という思いから生まれたファミリーマートの“挑戦”を披露するイベントで、2023年の1回目はコンビニ業界初のファッションショーを開催して話題になった。
会場には「お買い物アトラクション」や「推し活ファミマプリント」など、さまざまなエンターテインメントコンテンツを体験できる8つのブースが設けられ、来場者は限定グッズが手に入るクレーンゲームや、ファミマプリントを活用した推し活グッズづくりなどを楽しんだ。
テーマを「あそべるコンビニ」にした背景には、インバウンド需要の回復によって日本のアニメやゲーム、音楽といった文化が世界で注目を集めているほか、推し活ブームに象徴されるようにエンターテインメントコンテンツへの一人あたりの支出額が増え続けているなど消費傾向が変化していることがある。
こうした状況を受け、ファミリーマートはアニメやゲームといった人気のIP(知的財産)とのコラボレーション強化を打ち出し、コンビニを「単なる便利な購買の場」ではなく、日本文化の発信拠点にアップデートしたい考えだ。
ファミリーマート 代表取締役社長の細見研介氏は、ファミフェス一般公開に先立つ12月17日の記者発表会で「我々が持っている顧客IDなどのインフラを使えば、極めて良質なコンテンツを世の中に向けて発信できる。リアルとデジタルの両面でインフラの整備が一区切りついた」と説明。「このインフラにIPを乗せて、世界に向けてIP戦略を打ち出していく」と述べた。
ファミリーマートCMO 足立氏「コンビニはエンタメ」
アジェンダノート編集部は、ファミリーマート CMOの足立光氏にIP戦略の背景や狙いなどを聞いた。
ーー細見社長が「IP戦略を打ち出していく」とおっしゃっていましたが、その背景と狙いを教えてください。
細見が話したように、ファミリーマートはインフラ側として、結構いろいろなものがそろってきたということがあります。
顧客のIDがあって、それもかなりの数がそろっている。そこにIPを乗せれば、もっと商品が売れるかもしれないし、かつIPを育てることもできるかもしれない。つまり、IPを生かせるようなインフラが準備できたというのは一つあります。
そして、社内的にIP活用の重要性が認知されるようになってきました。「ポケモン」や「鬼滅の刃」などいろいろメジャーなIPと組めるようになってきましたし、それが社内で「売れるよね」と認識されるようになってきたわけです。
まとめると、一つ目はインフラが整ってきた。二つ目はさまざまなIPとの関係構築ができてきて、他社以上に強力なものになってきた。三つ目は、社内の体制ができてきた。これが、IP戦略を打ち出していくことを決めた背景です。
ーー今回のフェスは「あそべるコンビニ」ということで、「遊ぶ」ということを全面的に打ち出されましたが、この狙いと背景を教えてください。
エンタメの分野は、世界的にものすごく伸びています。人は豊かになっていくと、どんどんエンタメに興味・関心が向くようになるのです。
10年前に日本のIPがこんなに世界を席巻したことはなかったですよね。その頃とはIP消費の規模感が圧倒的に違いますし、一部のIPだけでなく非常に多くの日本のIPが海外に進出しています。そういう意味では、日本のIPがグローバルで認知される存在になりつつあり、しかも大きくなりつつある。
そこで、「遊び」をメインコンセプトに据えてエンタメの流れに乗ろうという話になり、「リテールエンターテインメント」または「あそべるコンビニ」を打ち出すことになりました。「遊び」というのが、衣食住の次にみんなが欲しいものなんですよね。
日本のコンビニは海外、特にアメリカのコンビニとは全然違って、エンタメ性があります。東京にいるとそういうふうに感じないかもしれませんが、地方に行くとコンビニはエンタメなんです。それをもっと打ち出していこうという考えです。
ーー今年は食品ロス削減の取り組みである「涙目シール」のフリー素材化が話題になりました。こういう社会全体を巻き込んだサステナビリティに関する施策もブースで紹介されていました。この取り組みも、「フードロス対策も、楽しみながら」というような、エンタメの要素を感じますね。
サステナビリティにエンタメの要素を加えているのは我々くらいじゃないでしょうか。
食品ロスを削減する活動で、「たすけてください」というメッセージと涙目の食品キャラクターを組み合わせた、いわゆる「涙目シール」が今年、環境省の「グッドライフアワード」などさまざまな賞をいただきました。
この涙目シールはもちろん、来年もいろんなバージョンで展開していきます。また、実はファミリーマートには、地域の食支援と食品ロスの削減を目的に2021年4月に始めた「フードドライブ」という活動があり、こちらでもIPコラボなどユニークな取り組みを展開していきます。
やっぱり、参加する方々が楽しめるようにしないと。それがサステナビリティと意識していなかったとしても、参加者が増えていくのはいいことですからね。今後も、楽しく社会貢献していける取り組みをどんどん拡充していきます。




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