成長企業から考える「マーケターの定義」 #03

広告会社からLINEに転職して気づいた、半歩先を照らしていく「戦略プランニング」

LINEで働いている時に気づいた戦略プラニンング

 さて、そろそろ本題に入りたいと思いますが、僕がプランニング業務に戦略を機能させる方法として、広告会社時代のアプローチが通用しにくくなってきていることに気がついたのはLINEで働いている時でした。


 僕は10年間の広告会社生活を終えて、LINEにジョインしたのですが、事業会社であることと商品がデジタルサービスであることが、それ以前までに行っていた広告会社時代の業務との大きな違いでした。LINEはマーケターにとっては、公式アカウントやアドプラットフォームなどのソリューション(メディア)の側面が印象として強いですが、LINEバイトなどの自社サービスも数多く展開しており、僕は自社サービスのマーケティングを担当していました。

 マーケティングにおける戦略面の強化を期待されてLINEに入社したのですが、実際にはPDCAの「Do」と「Action」を実行することに精一杯で「Plan」を中期戦略も含めて設計する余裕は全くない状態でした。それでもサービスをグロースさせるための開発のヒントを得る、もしくは事業存続のための集客を担うというマーケティングチームの役割は、LINEという自社メディアを活用した「Do」と「Action」を中心としたアプローチで、ある程度果たせていたのです。言うなれば、競合サービスと殴り合いの施策実行フェーズこそが主戦場だったということです。

 こういった状態の中で「Do」を中心に業務に取り組んでいたので、いわゆる戦略設計の業務はあまりできておらず、企画書を書くような時間が取れない日々が続きました。なので、自身の期待されている役割が果たせていないような気がしていました。

 ところが、そんなある日、ふと自分の業務を振り返るタイミングがあったのですが、過去数カ月間に実施した施策をデコンストラクションしてみると、驚いたことに自分の担当しているサービスのマーケティング施策が、割ときれいな戦略ストーリーの中で実行されていたことに気づいたのです。がむしゃらに50メートル走を数十回繰り返していたら、42.195キロのフルマラソンの走り方としても成り立っていた、というイメージでしょうか。

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