DISCOVERY DAY 2019レポートSponsored
ALPHABOATプロデュースのライオン「クリニカ」動画が高い視聴完了率を実現できた背景
配信タイミングも工夫、視聴完了率は15%に
動画配信は、動画広告のプライベートマーケットプレイスなどを手がけるオムニバスのソリューション「VISM(ビズム)」を活用。動画が2分半と長く、最後まで見てもらいにくい可能性も考慮して、内容をテキストに起こして動画と一緒に記事にまとめた。エキサイトニュースやマイナビニュースにそれぞれの媒体特性に合わせた切り口で掲載し、その記事をアウトブレインのレコメンドエンジンを活用して配信した。アウトブレインの秋元氏は、ユーザーに“自分ごと化”してもらうポイントとして、「消費者は自発的にブランドコンテンツを選んで消費する。そこで自分で読みたくて読んだという体験をしてもらうことが大切」と言及。また、より多くのユーザーから共感を得るために配信時間にも気を配り夜の時間帯に配信した。「仕事から帰宅して家事をしたり、子どもを寝かしつけたりした後の一息ついたタイミングに視聴してもらうことで、褒められることへの共感が得られる」と、コンテンツとユーザーが出会う最も効果的なタイミングをプラットフォーム側もイメージすることの重要性を強調した。
今回の施策では、KPIにコンテンツへの流入効率のほか、共感度を測るための指標として、完全視聴完了率や記事の滞在時間、記事中のリンクからブランドサイトへの遷移率を設定した。その結果、完全視聴完了率は15%前後と、同様の長さの動画平均が5~7%であることと比べると高い結果が得られた。
これらの結果に対して、横手氏は「興味関心の高い方からのリアクションがきちんと得られている」と評価。その上で、「興味関心がない方から得られているリアクションの分析も重要。次のステップで取り組みたい」と展望を語った。
ALPHABOATの西谷氏は、最後に「ミレニアル世代の価値観には、物質的な豊かさと同等かそれ以上に、精神的な豊かさや社会課題の解決に価値観の重きを置く傾向がある。したがって、ブランドや企業からのメッセージであっても彼らの価値観と照らし合わせて『共感性』を大事にする傾向があると考える。ブランドセーフティを担保しながら、社会に対するテーゼを考えるアプローチが重要なポイントだと考えている」と話し、セッションをまとめた。
クリエイティブの工夫で、新規層も獲得
「DISCOVERY DAY 2019」では、そのほかにもさまざまなセッションが行われた。「ユーザー視点での次世代型ブランドコミュニケーションとは」では、サッポロビール ブランド戦略部宣伝室 シニアメディアプランニングマネージャーの福吉敬氏、Teads Japan マネージングディレクターの今村幸彦氏、indaHash カントリーマネージャーの野村肇氏、アウトブレインジャパン 社長の嶋瀬宏氏、アマナ 執行役員の佐藤勇太氏が登壇。メディア接触状況の変化やデジタルのアドブロッキングなどで広告が届きづらい層が増えてきている中、サッポロビールが取り組んだインフルエンサー施策を紹介した。施策のポイントは2つ。ひとつは、ブランドが伝えたいメッセージをインフルエンサーに自分たちの言葉で伝えてもらうこと。二つ目は、インフルエンサーが発信したコンテンツを二次利用して、よりメッセージ性の強いコンテンツとして配信したことだ。
こうした施策の結果、広告接触時間の平均は12.8秒、CTRの平均は0.36%。YouTubeのバンパー広告が6秒、通常のバナー広告の平均CTRが良くても0.1%であることを考えると高い効果だった。さらに、これまではリーチしてこなかったビューティーやダイエットに興味のある層からの反応が得られた。
福吉氏は「これまでの手法に捉われない、新しい形のコミュニケーションで発信することで、従来届かなかった顧客にアプローチできた。そのことでブランドの可能性を拡大できたことが大きな発見だった」と語った。