成長企業から考える「マーケターの定義」 #04

マーケティングは、スキルや体力よりも「心のもちよう」が大事と考える理由

「合気道」が武道の究極の姿である理由

 合気、つまり相手と気を合わせていくということです。合気道に試合という概念がないのはそういうことです。シンプルに説明すると、武道は、己の力を示すためや喧嘩に勝つために始め、次第に自分を守るための護身術になり、その後、自分以外の人を守ることも可能になっていきます。そして、最終的には自分を襲って来た敵も守ってあげよう、という境地に辿り着きます。

 合気道の達人は、気を相手の体に通して投げることで、コンクリートに叩きつけても怪我一つさせずに相手の戦意を喪失させることができます。昔から、「勝つための極意とは戦わないこと」「三十六計逃げるに如かず」という言葉があります。

 戦略とは、“戦いを略す”という言葉の通り、できるだけ戦わずに済むのであれば戦わないことが最上なのだと思います。なので、僕はマーケティングにおいても市場をセグメントして競合と削り合うのではなく、競合だと捉えられる相手と共同し、市場の定義を拡大しながら、市場そのものを創っていくということが最上なのだと思っているのです。つまり、これがマーケターとしての一つ目の「心のもちよう」です。



 市場を狭く見ると、同じ市場にいるプレイヤーを敵だと思ってしまい、その狭い世界で小さな戦いに力を費やしてしまうことになる。でも、少し俯瞰して見ると、実は敵だと思っていたプレイヤーも味方になることに気がつく。ドラゴンボールで、最初は敵だったピッコロやベジータが、もっと強大な共通の敵が現れると悟空の味方になっていく。そんな視点で競合を見つめてみると、新しいマーケティングの方向性が見えてくるのではないでしょうか。

 自分を襲ってきた敵を、あなたは抱きしめて守ってあげることができますか?そして、味方にして一緒に市場を大きく創造していくというアプローチが取れますか?という問いを皆さんに投げかけておきます。

 最初に割と難易度の高い、達人レベルの「心のもちよう」の話をしてしまったので、次は少し初心者向けの話をしたいと思います。

 僕は「マーケターに一番大切なことは?」と聞かれれば、「それはホスピタリティです」と答えます。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録