TOP PLAYER INTERVIEW #08
ZOZOを日本一、AIを活用している会社にする【野口竜司・田端信太郎 対談】
デジタルマーケティング支援会社のイーエージェンシーで取締役として活躍してきた野口竜司氏が4月2日、ZOZOテクノロジーズに入社した。同社のVP of AI driven business /イノベーション推進部 部長に就任し、ZOZOTOWNにおけるAIとデータを活用したビジネス推進を担う。その野口氏に転職を決めた背景から担当する業務、今後のビジョンについて語ってもらった。さらにZOZO コミュニケーションデザイン室長の田端信太郎氏に同席してもらい、同社グループにマーケティング領域のタレントが集結する背景についても聞いた。
事業家として大海に飲まれるべきだと感じた
——野口さんがZOZOテクノロジーズに入社することになった経緯から教えてもらえますか。
野口 はい、ZOZOテクノロジーズの代表である金山(代表取締役CINO金山裕樹)が大学時代の後輩で、彼から「ZOZOを日本一、AIを活用した会社にしたい」と誘われ、そのビジョンに強烈に共感して、入社を決意しました。
それに、この1年ほど、田端さんはじめ業界内で力のある方が次々とZOZOに入社されているのを外から見ていて、自分もその流れに自然と引き寄せられたという感じでしょうか(笑)。
ZOZOテクノロジーズ
VP of AI driven business イノベーション推進部 部長/アラタナ 取締役
野口竜司氏 「すべてのマーケターにAIを!」をモットーに活動中。顧客行動ビッグデータによるAI未来行動予測や、IoTセンシングデータによるAI予測モデルの開発を行う。文系のためのAIプランナー育成講座やAI関連の執筆も行っている。アドテック東京2015/2016/2017に登壇。アドテック東京2018のアドバイザリーボードに就任。
VP of AI driven business イノベーション推進部 部長/アラタナ 取締役
野口竜司氏 「すべてのマーケターにAIを!」をモットーに活動中。顧客行動ビッグデータによるAI未来行動予測や、IoTセンシングデータによるAI予測モデルの開発を行う。文系のためのAIプランナー育成講座やAI関連の執筆も行っている。アドテック東京2015/2016/2017に登壇。アドテック東京2018のアドバイザリーボードに就任。
——野口さんにとっては、人生で初めての転職ですよね。
野口 はい、学生の頃から18年間、浮気せずにイーエージェンシーひと筋で来ました。とても心地良い環境でしたが、私自身が事業家としてもっと大海に飲まれた方がいいと思い、より緊張感を持ってゼロから思いっきりやれる場所に移りたいと考えたのです。
それに、これまでお客さまのデータをお預かりして支援する立場でしたので、次は事業主側に移ってデータを活用していくべきだと思いました。
——田端さんとは、もともとお知り合いだったのですか。
野口 いえいえ、イベントでご挨拶をさせていただいたぐらいで、私が一方的に田端さんのファンでした。田端さんがTwitterで「パナソニックの口腔洗浄器にマウスウォッシュを入れて使ったら良かった」と投稿されているのを見て、実際に買って試してみたぐらいです。
田端 えっ! 本当に試してしまう人は、世の中に5人もいないですよ(笑)。
——田端さんは、野口さんはじめ優秀な人材がZOZOに集結していることについて、どのように考えていますか。
田端 やっぱり、いまは人材の奪い合いが起きていますよね。ZOZOグループでも以前、「天才募集(技術者を最高年収1億円で募集する企画)」を行いましたが、都内には外資系プラットフォーマーにLINE、メルカリ、DeNA、グリーもあって、人材獲得がユーザーや広告費、消費者の財布の奪い合いよりも最上位の戦いになっていると思います。
エンジニアは、今風に言えば、サイエンティストだと思いますが、彼ら彼女らの転職におけるレーダースクリーンにZOZOが映っているかと言えば、まだまだだと思います。僕はZOZOの代表である前澤(代表取締役社長 前澤友作)から声をかけてもらい入社しましたが、野口さんがお話したように、自分の知っている人が入社すると、芋ずる式というかドミノ倒し的にというか、徐々に採用に効いていくと思います。
ZOZO
コミュニケーションデザイン室 室長
田端 信太郎氏 1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」の立ち上げや広告営業の責任者を務める。2005年、ライブドアに入社し、livedoorニュースを統括。ライブドア事件後は執行役員メディア事業部長に就任し経営再生をリード。10年からコンデナスト・デジタルでWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。12年、NHN Japan(現LINE)執行役員に就任、広告事業部門を統括。14年、上級執行役員法人ビジネス担当に就任。18年3月から現職。
コミュニケーションデザイン室 室長
田端 信太郎氏 1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」の立ち上げや広告営業の責任者を務める。2005年、ライブドアに入社し、livedoorニュースを統括。ライブドア事件後は執行役員メディア事業部長に就任し経営再生をリード。10年からコンデナスト・デジタルでWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。12年、NHN Japan(現LINE)執行役員に就任、広告事業部門を統括。14年、上級執行役員法人ビジネス担当に就任。18年3月から現職。
——田端さんの部門である、コミュニケーションデザイン室でも採用を重視して活動しているということですか。
田端 結果として、ですよね。人事ではないので、直接採用することはないですが、意識はしているつもりです。
野口 私も田端さんにつられて、ZOZOに入ったという面もありますし。
田端 ありがたいですね! 僕は炎上してばかりなんで、僕が居ると良いこともあるってことをアピールしてもらわないと(笑)。