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ZOZOを日本一、AIを活用している会社にする【野口竜司・田端信太郎 対談】

ZOZOはAIをどのように活用していくのか

——ZOZOのビジネスにおいて、AIをどのように活用していくのでしょうか。


野口  ZOZOには、ファッションという切り口において、ビッグデータを超えたヒュージデータがあると思っています。ひとつには、これらのデータをAIでモデル化することで、消費者の趣向性やシグナルを解き明かして、ファッション業界ならびにファッション以外の業界にも提供できるはずだと考えています。もうひとつは、ZOZOTOWN関連だけに留まらず、業界全体の過剰在庫の問題を解決していくことにも役立てられるはずです。

田端  確かに、ビッグデータをレコメンドに利用するのも効果的ですが、それは悪く言えば、川下でつくったものをどう効率的にさばくかという発想。それよりも、例えば、世の中の株価や景気といった基礎データから、製作するシャツの色の配分を決めるなど、需要予測にテクノロジーが使えるはずです。服を売る川下だけではなく、服をつくる上流もZOZOがサポートしていく。それが結果的に過剰在庫を出さずに、無理な値引きもせずに利益率が上がるということにつながるはずです。

野口  さらに言えば、AIやデータを活用しZOZOTOWN内の広告もうまく使っていただくことで、ユーザーと商品のマッチング度を上げて、プロパー消化率(値引きせず定価で販売した割合)を高めることもできるかもしれません。

田端 そうですね。最後に値引きして売ることには、どうしても一物二価の不誠実さが付きまとってしまいます。ならば、値引き分を広告費にして定価での消化率を上げることができれば、メーカーからすればブランド価値が保たれますし、消費者からも一物一価になってセール直前に買ってしまって悔しい思いをしなくて済むはずです。もちろん我々としても、広告ビジネスの機会になります。
 

——最近、「ZOZOARIGATOメンバーシップ(商品を10%割引して購入できるほか、その割引額から慈善団体などに寄付できるサービス)」を始めたこともあって、アパレルブランドがZOZOから離れていると報道されています。テクノロジーを活用することで、アパレルブランドに提供する価値をさらに発揮したいという思いがあるのですか。


田端 おっしゃる通りですね。かつて、ブランドにとってECサイトを運営することは、人材や技術の面でも難しいところがありました。それが現在、一定のレベルであれば、どの企業でも運営できます。その状況に対して、我々が経営的なリスクを感じていないわけではありません。ZOZOTOWNに出店し続けていただく必然性や付加価値を出すためにも、我々が進化していかないと意味がないでしょう。

野口  ファッションテックという言葉も浸透しつつありますが、それを一企業でやり切れるだけの体力や人材を揃えるのは難しいと思います。ZOZOがプラットフォーマーとして、業界全体を良くしていきたいですね。
 

——最後に、野口さんの今後の展望について教えてください。


野口  私は、これまでも専門にしてきたAIによるユーザーの「未来行動予測」を1カ月後、3カ月後、半年後、1年後などの各期間粒度でモデル化していきたいと考えています。予測型AIにより先回りしてマーケティングしていくことで、ZOZOTOWNのユーザーに新たな価値を提供したい。また、予測型AI以外にも、サプライチェーン全体におけるAIの活用にも貢献し、ビジネスを大きく動かしていきたいと考えています。

そして、金山が言うように「ZOZOを日本一、AIを活用している会社」にしていくために貢献していきたいと思っています。

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