成果を出すコンテンツマーケティング虎の巻
auの企画メーカーが語る、モノゴトを多面的に見るための「3つの考え方」
2019/04/18
③ 点と点が線となり、面となる
さて最後に私のキャリアを紹介しながら、3つ目のポイントをお伝えします。私は1997年にDDI(現KDDI)に入社し、営業企画、営業現場、事業採算、宣伝部、広報部と3~4年単位で社内異動し、2018年4月から2回目の宣伝部でブランドプロモーションを担当しています(デジマ領域は、まだ4年ほどと勉強中の身です…)。社内を見渡すと、他にも海外事業や技術、人事や総務、さらには銀行や保険事業、直営店舗などもあるので、異動すると転職した気分になることも多いです。私が経験したセクションだけでも、一見関連のない業務に思えますが、実は一貫して得られたものがあります。それは「点も必ず線となり、やがて面になる」ということです。
業務によって向き不向きがあり、特に事業採算の仕事は一番苦手で配属1週間で腐ってしまいました。喫煙室で上司に異動を懇願したところ、「ここでの経験は、必ず後で役に立つから勉強してみなよ」と即レスです。その言葉を信じ、自腹で中小企業診断士の専門校に通ってみることにしました。
幅広い分野の専門知識を学ぶ中で、興味を持ったのが「マーケティング」や「プロモーション」でした。後に宣伝部に異動してから、この知識が役に立つことになり、その経験がなければ、今の私の業務もなかったと思います。また、宣伝部にてコミュニケーション戦略や広告制作、PRの担当として経営層と直接議論する場面がありましたが、事業採算の部署で学んだ経験が活きる機会が多くありました。「お前、何か勉強してたの?」と社長に言ってもらったのを今でも覚えています(本人は一ミリも記憶にないはずですが…)。
次の広報部では、宣伝部で経験したプロモーションやPR発想を基に、社内でもまだ前例のなかったコンテンツマーケティングやインナーコミュニケーションを立ち上げることができました。このときに身に付いたPR発想やコンテンツマーケティングの考え方は、今の業務にもとても活きています。こうやって改めて振り返ってみても、それぞれの場所での経験が数珠つなぎのように役立っていると感じています。
ジョブズは「点と点は線になる」と言いました。個人的には、それら線が広がって繋がって、やがて大きな面になっていくと思っています。何事も現状を憂うのは簡単で楽なのですが、そうしていても何も生みません。いろんな面をいろんな見方で見てみると、実は刺激だらけで新しい気付きも多いものです。新しい刺激や環境を楽しめていければ、いずれその苦労や経験は他の形で役に立つと思います。 (仕事はRPGみたいなもんだと自己暗示しています。ダンジョンや仲間、ラスボスなんかも出てきますしね)。
次回からは、今回触りだけご紹介した具体的な事例を使って、「成果につながるコンテンツマーケティング」についてお話したいと思います。
- 他の連載記事:
- 成果を出すコンテンツマーケティング虎の巻 の記事一覧