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クリスマスにケンタッキーを食べる習慣は日本だけ、海外取材もくるマーケティング成功事例

前回の記事:
ケンタッキーが客数減から復活。業績を上向かせた「デュアルカレンダー戦略」
 2017年10月以降、売上が9カ月連続で前年割れだったケンタッキーフライドチキン(KFC)が昨年7月から一転、売上を伸ばしている。今年2月には対前年比の売上高が114.7%、客数が116.7%と昨年7月以降で最も大きな伸びを見せた。業績が上向きつつある背景には、2018年4月にKFCブランドを保有するヤム・ブランズから同社に着任したマーケティング部長の中嶋祐子氏の働きがある。インタビューの前編に続いて後編では、日本独自のKFCの成功例から、マーケティング哲学まで、詳しく話を聞いた。
 

予算配分に山をつくらず、プロモーションは細く長く


日本ケンタッキー・フライド・チキン
マーケティング部長 中嶋祐子氏

外資系広告会社を勤務したのち、ケンタッキーのブランド保有企業であるヤム・ブランズに7年間勤務。その後に2018年より現職

——中嶋さんの施策の背景には、グローバルで成功した事例を日本向けにカスタマイズして導入したという話がありました。逆に日本ならではで成功している施策はありますか。

 うーん、これは私が展開したというわけではないですが、最初に思い浮かぶのは、やはりクリスマスのキャンペーンですよね。クリスマスにケンタッキーフライドチキン(KFC)を食べるという習慣は日本だけです。なので、毎年11月から12月にかけて、海外から取材依頼がたくさん来るんですよ。

——それは驚きです。日本のクリスマスについての取材がKFCに来るのですか。

 はい、そうです。クリスマスにKFCに行くことが習慣化されているのは、マーケティング的には、すごい成功事例なんです。私がヤム・ブランズにいたときも全世界から日本のクリスマスについて問い合わせが来ていました。

 海外からすると本当に驚くようで、実際に日本で取材してみると、店舗に行列ができていたり、街頭でインタビューしてもクリスマスと言えば、ケンタッキーだという答えが返ってきたり、何でこんなことになっているんだという問い合わせが来るわけです。
 
クリスマスに混雑するKFC
——ちなみに日本人がクリスマスにKFCに行くようになった理由は、どのようにお答えされているのですか。

 これは、諸説あって(笑)。ひとつは70年代に日本にいた外国人が日本に七面鳥がいないから仕方なくKFCのフライドチキンを食べたという話から。

 もうひとつは、日本のKFC初代社長がクリスマスイベントにサンタクロースの格好をしたところ、みんなが喜んでくれたので、これはチャンスだと思って、クリスマスはケンタッキーで、というキャンペーンを仕掛けたという話です。

 いずれにしても、60年代後半から70年代にかけて、日本にクリスマスをはじめ西洋の文化がどんどん取り入れられていくタイミングにKFCが消費者に対して、いい提案をしたということだと思います。

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