アドバタイジングウィークアジア2019応援企画 #02

「会津若松市のスマートシティ計画に、マーケターも注目」 本田哲也さんがアドバタイジングウィークの見所を紹介

前回の記事:
「シンガタ佐々木宏と語る、働き方改革」アドバタイジングウィークアジアの見所を松田康利さんが紹介
 来週5月28日から30日まで東京ミッドタウン(東京・港区)で、「アドバタイジングウィークアジア2019」が開催。世界と日本の広告業界の今と未来がわかる様々なセッションや展示が行われる。その中でも注目セッションである「人口12万人都市からスマートシティの未来が始まる–会津若松市のデジタルトランスフォーメーション–」の見所について、モデレーターを務める本田哲也さんに話を聞いた。

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スマートシティ計画は、企業と市民どちらが主導?

 

——PR領域が専門である本田さんが「スマートシティ計画」についてのセッションのモデレーターを担当することが意外な印象です。どのような経緯があったのでしょうか。


 きっかけは、僕の事務所に会津若松市のスマートスティ計画をサポートしているアクセンチュアさんから、PR戦略を手伝ってほしいという相談が来たことです。そこで詳しく話を聞いたところ、2011年の東日本大震災後から長年にわたって会津若松市と一緒に取り組んでいることを知って興味を持ちました。実は、私は会津若松市の生まれなんです。なので、個人的にもご縁を感じて、このプロジェクトに関わりたいと思いました。

 また、スマートシティは世界中で注目を集めています。アドバタイジングウィークのニューヨーク本部からも地方自治体のデジタル化への取り組みをテーマにしたセッションを行なってほしいという要望が来ていたんです。
本田哲也氏
本田事務所 代表取締役社長
1970年生まれ。PRストラテジスト。99年、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年、ブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。2009年に『戦略PR』(アスキー新書)を上梓し、広告業界にPRブームを巻き起こす。『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(田端信太郎氏との共著、ディスカヴァー刊)などの著作、国内外での講演実績多数。2019年に本田事務所を設立、現在に至る。
 

——本田さんが最も興味を持ったポイントはどこですか。


 会津若松市のプロジェクトが自治体、ひいては市民主導で進んでいることです。世界の多くのスマートシティ計画は、米国・シアトルがアマゾン、カナダ・トロントがグーグルの持ち株会社であるアルファベット、中国・広州がアリババなど企業主導で進められています。

 市民か、企業か。そのどちらがいいという話ではないのですが、例えばシアトルでは「街がAmazonに食われる」とった批判が起こるなど、企業主導の問題点が浮かび上がってきているのも事実です。
 

——世界から見ても、市民が引っ張っていることがユニークだ、と。


 はい、そうです。アクセンチュアもあくまでサポートに徹しています。ちょうど、4月22日に「アクセンチュア・イノベーションセンター福島」を設立しました。このセンターは、先進デジタル技術の実証実験を推進し、会津地域で培ったスマートシティと地方創生のモデルを全国に向けて発信する役割を担います。

 また、ご存知ない方も多いと思いますが、会津若松市にある会津大学は国内唯一のIT専門の単科公立大学であり、多数のベンチャー企業を輩出しているんです。スタンフォード大学ほどではないですが、学園都市のように大学を中心に新しい産業が生まれています。

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