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日広(現GMO NIKKO)創業者・加藤順彦 投資家としての流儀 「あなたの言うことが実現したら、誰が損をしますか」

投資先を10分で決めるケースもあれば、2年かけることも


 現在の投資先は、仮想通貨取引所のビットバンクや農家向けサービスを展開するAGRIBUDDY(アグリバディ)など、業種・業界が多岐にわたっています。私自身が役員として会社に参画するため、競業避止義務を意識しているのです。ただし、スタートアップ企業はピポットを繰り返すため、気が付いたら領域が重なってしまうことが悩みの一つです。

 例えば、フィリピンで事業を展開するYOYO Holdings(ヨーヨーホールディングス)は、当初はポイントサービスでしたが、現在はインフルエンサーマーケティングの支援会社です。一方で、私はミャンマーでインフルエンサーマーケティング事業を行う会社にも投資しているのです。

 投資の意思決定は、社長と話して数分で決めるケースもあれば、1年以上時間をかけるケースもあります。インドネシアで家具を製造するKAMARQ(カマルク)への投資は、10分で決めました。その時間で私と社長の目線が合った、と感じたからです。
 
KAMARQ(カマルク)
 一方で、AGRIBUDDYへの投資は、2年かけて決めました。AGRIBUDDYは孤児院でボランティアをしていた人がカンボジアでキャッサバという芋をつくりたいと始めた会社です。私は、農業についての知識がない上、そもそもなぜ孤児院をつくるのかという理由が理解できませんでした。

 基本的に私はお金儲けが好きなので、非営利事業を手掛ければ、自分の軸がぶれてしまうのではないかとも思いました。お金儲けに対してポジティブでなければ、決してお金は集まりません。そこで、AGRIBUDDYの社長とは、それらの目線を合わせるためのディスカッションを何度も行いました。
 
AGRIBUDDY
 投資先が30社弱あると、ほぼ毎日が役員会です。前日までに、アジェンダを送ってもらい、前月の数字とトピックから、気になる箇所を確認して、当日までに自分なりの考え方を整理します。

 年に2社程度は私の役割が終わり、役員を退任したり、株式を手放したりしています。例えば、別のグループの傘下に入ることになり、資本政策上、私が株式を保有していない方がいいことがあります。例えば、2年前まで投資していたスカイプ英会話の会社は、EnglishCentral(イングリッシュセントラル)という大手英語スクールの傘下に入ったときに役員を退任しました。
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「投資先を見る目は、広告会社の経営者時代に養われた」日広(現GMO NIKKO)創業者 加藤順彦
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