マーケティングは、街にどう貢献できるのか #08

渋谷は川とともに発展してきた街。パブリックスペースの活用から見えた可能性

渋谷川を知っているだろうか?


 渋谷は、実は川とともに発展してきた街である。

 都市化に伴って両脇をコンクリートで固められ、ビルの裏側になってしまった渋谷川という河川がある。渋谷川は、唱歌“春の小川”の舞台とも言われている。ドブ川のイメージの強かった渋谷川だが、下水処理を行って再生水を利用したことで、水流が復活した。
 

写真提供:Future Design Shibuya



 新しいまちづくりとともに再整備されこの川辺環境は、ストリートとも公園とも異なる、これまでに無かった「個性的な場」となる可能性を秘めている。昨年オープンした渋谷ストリームを中心とした新しい渋谷駅エリアから代官山・恵比寿方面に抜ける「新しい歩行者動線」としての役割に加えて、地元や来街者にとっての「新たなパブリックスペース」としての活用も期待されている。渋谷の駅近に、この様な空間があったのかと思うほど、実はまだ未開拓エリアなのだ。

 3月1日から1カ月間、この渋谷リバーストリートで実験パートナーおよび第一弾の活用アイデアを募集したところ、300を超える様々なアイデアが老若男女を問わず多くの世代から集まった。
 

写真提供:Future Design Shibuya



 アイデア収集では、Webは使わず、あえて現地の実地調査から集めた。この場所を見てからアイデアを考えてもらおうという狙いだったが、それでも300以上集まり、多くの関心や意見が寄せられたこともありがたい。全てのアイデアをチームで検討し、現在この中から比較的実現可能性の高いものから選出し、4月以降、社会実験として実施中である。

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