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「投資先を見る目は、広告会社の経営者時代に養われた」日広(現GMO NIKKO)創業者 加藤順彦

変化を恐れない企業だけが生き残る


 上場・非上場に限らず、また規模に限らず、社長の柔軟性がすごく大事だと思います。社長は、変わり続けることを恐れてはいけないのです。

 私がかつて出資していたDeNAも典型的ですよね。新しい事業をつくり続けるということがDeNAの「DNA」だと思います。また、光通信も変化を恐れないゆえに、絶えず成長を続けているのでしょう。

 また、私は出資していませんが、インターネット事業を行うCROOZ(クルーズ)は、2年に1回ペースで本業を変えていて注目しています。それに、アドテクノロジーの世界でイノベーティブだと言われている会社は、よくよく見てみると、ものすごい勢いで本業を変えている会社ばかりです。メタップスやフリークアウトもそうですよね。

 私がコンタクトレンズをWebサイト上で販売していて感じるのは、日本はいろいろな分野でEC化率が限界まで高まっているということ。例えば、書籍はこれ以上、急激にEC化は進まないと思っています。今後、EC化率が天井を打つ業界が次々と出てくる中で、どう次の一手を打つか。これは結構大事なことだという気がします。


 

今後のメディアビジネスは、どうなる?


 とりわけジェネレーションX(21世紀以降に生まれた人)は、いわゆるオールドメディアとされる存在からほとんど影響を受けていません。この傾向は米中含め、全世界共通ですよね。

 日本でも、私よりも上の世代の人は、テレビのことを信用していますが、若い世代の人たちへの影響力はありません。その一方で、HIKAKINさんはすごい破壊力を持っています。つまり若い世代、とりわけジェネレーションXに影響力を持つ人は、テレビに出ている人ではない。そのため、今後のメディアの在り方は、変わっていかざるを得ないでしょう。

 今は、世界中の人たちがYouTuberになりたいと言っています。そういった人たちのためのエコシステムがものすごい勢いでできているため、マーケティングも注目せざるを得ません。いわゆる「人中心主義」に変わっていくでしょう。

 では、HIKAKINさんのような個人だけが新しい時代のプレイヤーになるのかと言えばそうではなく、影響力を持つ個人を取り巻くエコシステムをつくるプレイヤーにも注目が集まります。

 例えば、UUUM(ウーム)のようなプロダクションは必要で、限られた時間でコンテンツをインパクト強く、はっきり伝えるための編集能力は、ますます重要になります。人気になったYouTuberは、プロダクションを抜けると多くの人が思っていましたが、実際はそうなっていません。表現者であるクリエイターもプロダクションに所属しなければ、自分たちのコンテンツがマキシマイズできないことに気づいているんです。

 DeNAからスピンオフした「Mirrativ」にも注目しています。このプラットフォームには、すばらしい実況中継者が集まっています。彼らはなぜ「Mirrativ」で中継をするのか。それは、「Mirrativ」が自分の才能をマキシマイズできるプラットフォームだからです。
 
「Mirrativ」
 プレイヤーはさらに増え、より複雑化するでしょう。そして、そのエコシステムを新たにつくっていく人がこれからの時代のリーダーになるのだと思います。そこに、お金や人材が集まっていくのは間違いありません。
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「エンジェル投資は止める、ビットコインと再生医療で未来に挑む」日広(現 GMO NIKKO)創業者・加藤順彦
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