アドバタイジングウィークアジア2019応援企画 #03

布袋寅泰が新アルバムを引っさげて登場「夢、チャレンジ、変化は自分を豊かにする大切な言葉」

イギリスと日本、2つの文化を行き来することで見えること


 現在、イギリス・ロンドンで暮らす布袋氏だが、日本を離れて初めて見えたこともあるという。

 「思い出したというか、スタートってこうだったな。どんどん自分のやりたいことができるようになっていって見失うこともあるのでしょうね。イギリスでは手を伸ばせばお客さんがいるようなライブハウスの活動が主です。なかなかチケットが売れなかったり、悔しい思いをしたりしながらも、目の前にいる観客を自分の音楽でハッピーに、心を動かして一人を掴むことがどれだけ大切か、思い出すきっかけになりました。日本では1万人、5万人のライブもやっていましたけど、やっぱり目の前の一人と自分という関係は大事」と語った。

 また、「現場で悔しい思いや新しい発見をして日本に帰ってくると、東京は世界の中心だなと思うし、世界から遠い場所でもあると思います。世界の布袋って言ってもらえると恥ずかしいし、とんでもないと思うと同時に、『日本は世界に入っていないんだな、日本と世界なんだな』と感じます。2つの文化を行き来することは、表現の上でも影響があります。だからこそつくり出せる作品があります」と話した。


 

夢、チャレンジ、変化が自分を豊かにしてくれる


 セッション終盤では、これまでに布袋氏が語ったメッセージを国見氏がピックアップして紹介した。

 『出た瞬間、一拍で布袋だとわかる絶対性を』

 企業や個人が“らしさ”やアイデンティティをどう表現するか苦労する中、その絶対性はどのように生まれているのかとの国見氏の問いに、布袋氏は「肉体的な音ですよね。たまたま身長が高くて、ギターを弾くにしても振り下ろすようなスタイルだから。一つひとつの音が他の人とは違うスタイルでギターを弾く時も音を出すより切る、弾くより刻む。ドラマーがビートを叩くような思いでギターを弾いていますからアタックがありますよね、一つひとつの音にインパクトというか。インパクトはイントロ、リフレイン、ソロ、常に心がけています。一瞬にして入って頭から離れない絶対性ですね」と答えた。

 「僕の曲は、ワンコンセプトで変化し続けている。それは変化の美学」

 「ものをつくるんだったら、ぶれずに絶対曲げずに変わらない。変わり続けながら一つの道をつくっていく。そのどちらか。昨日ではない今日、今日ではない明日が変化。変化するにはチャレンジ、勇気も必要。変化しないのは楽だし、ステイするのは大変。でも一瞬の勇気が夢を運んでくれます」(布袋氏)。

 「僕の引き出しの中には、音作りのための色鉛筆が何千色も入っている」

 「会話、交流、映画からインスパイアされることもあります。要はイマジネーション。目を閉じた時に見えてくるものというか。そのためにはいろんな経験や発想の転換も必要だと思うし、信念も大事。自分を解放することも必要だと思います」(布袋氏)。

 「ギターを持つことによって、僕は完全な布袋寅泰になる」

 「職業ギタリストですし、体のパーツの一部ですから。ギターを持っているときは体も精神的にもバランスがとれる。ギターと出会わなかったらこういう生き方をしなかっただろうし。スポーツ選手やビジネスパーソンなどにも、そういうものは絶対あるはずなんですよね。うちのスタッフも日頃忙しくやってもらっているんで、のんびり休んでほしいと思うけど4日5日休むと会社に行きたくてしょうがないって。自分が完全になるものって必ずあると思うんですよ」(布袋氏)。

 最後に布袋氏は、「夢、チャレンジ、変化は自分を豊かにする大切な言葉。前に進めるための力になると思います。ビジネスで、プライベートで、そして男として女として人間として、さらに次の世代に我々がもっとおもしろい世界を伝えられるようにお互いがんばりましょう」と話し、セッションを結んだ。
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