成長企業から考える「マーケターの定義」 #06

必要なのは、競合? 現代における新市場創造とブランディングのための方法論

市場創造は、大きく2つに分けることができる


 まず始めに言葉の整理をしておくと、僕は「市場創造」とは、「マーケティングそのもの」だと思っています。マーケットを創造し続けることだから“Market + ing”なのだと解釈しています。

 そして、ブランディングは、市場創造プロセスの一部であり、特定市場の中で差別化を図り、自社に優位なポジションを取り続けることです。つまり、市場創造はマーケティングそのもので、その中に「⑴市場を新たに創り大きくしていくプロセスである“新”市場創造」「⑵市場でポジションを取り、シェア拡大していくプロセスであるブランディング」という2つの話があるのだと思います。

 既に市場がある場合は、⑵のブランディングプロセスから始めることになりますし、市場がない場合は⑴の“新”市場創造プロセスから始め、市場がある程度大きくなってきたタイミングで⑵のブランディングプロセスに入っていくのだと思います。

 現実的に⑴と⑵は、同時並行的に進められることがほとんどなので、⑴と⑵を合わせて市場創造と定義して話をするほうが自然なのだと思いますが、今回はあえてこれら2つのプロセスを分けて論を進めたいと思います。



 ⑵のブランディングプロセスを統合化されたマーケティングの中でどのように進めていくべきか、ということに関して書くのであれば、アクティベーションを志向するデジタルマーケティングのアプローチをどのようにマスと連携させてブランディングに繋げていくのかというテーマになると思います。

 こちらに関しては、今まで何度かお話ししているので、今回は主に⑴について書こうと思います。とはいえ、ほんの少しだけ⑵について触れておくと、ブランディングは差別化のことなので、ブランドピラミッドで表現されるような価値構造のどの価値で差別化を測ると市場シェアを拡大できるのかという視点で、最適な差別化要素を訴求することに注力した統合マーケティングを実施すべきだということです。

 具体的な例を挙げて説明すると、Indeedの差別化の要素は、プロダクトそのもので、その良さを伝えるには実際に使ってもらうことになります。ただし、プロダクトの魅力をメッセージにして伝えるのではなく、「麦わらの一味募集」という行動を喚起する具体的なコンテンツをセンターに置き、PRを意識したマスとデジタルの統合プランを設計したのが、年初に実施したワンピースのキャンペーンです。
 
Indeed 新聞広告

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