マーケターズ・ロード 湖池屋 佐藤章 #01

日本企業に「プロマーケター」はそぐわない、和風マーケティングのススメ。 湖池屋 佐藤章社長

ゼネラリスト上等 「プロマーケター」は目指すな




 どんな業界・企業でも通用するマーケターよりも、この人でなければできない、この企業でなければできないものを生み出すことができるマーケター。つまり、「稀少」ではなく「貴重」なスペックをつくり出せるマーケターが必要です。

 マーケティング業務の技量があるだけでは、これからの時代に価値を生むマーケターにはなれないと考えています。そこで湖池屋では、そうした可能性を持つ人を見極めて、マーケティングにとどまらない多岐にわたる経験をさせているところです。

 例えば、私が湖池屋に入社したときのマーケティング部長は、現在サプライチェーン・マネジメント部長をやっています。地方で活躍したセールス担当がマーケティング部に加わることもありますし、逆にマーケティング部にいた人に流通担当として活躍してもらうことがあります。

 そんなふうに“正体不明”な立ち位置にさせたほうが、いまの若い人は伸び伸びと育つのではないかと思っています。「マーケティング専任担当」「マーケティング専任部隊」は、つくりたくないんです。

 ゼネラルに、オールラウンドに、鍛えながらスパイラルアップしていくイメージで、そういう人が各世代に3~4人ずついるような状態を目指しています。

 当たり前のことを言うようですが、日本企業には、日本型の経営が合っているんですよね。何かのプロフェッショナルとしてスキルを研ぎ澄ますのではなく、いろいろな部門でいろいろな経験をしながら成長していってもらうのは、一つの方法論としてアリだと思っています。
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