ミレニアル世代の旗手たち 徳力基彦インタビュー企画 #番外編

ブロガー 徳力基彦が語る、今後のこと。「会社に依存してしまっている人に、勇気を持ってほしい」

ブログはコミュニティやネットワークを広げるためのツール


——新しく自分の会社を設立するということは、考えていないのですか。

 それは、考えていませんね。アジャイルメディア・ネットワークとは、業務委託契約なので、一般的な区分としては“フリーランス的な立場”に分類されると思いますが、私としてはどこかの組織に所属して活動していきたいと考えています。フリーランスや“一人会社”は、明らかに向いてないんです。

 ぶっちゃけた話をすると、アジャイルメディア・ネットワークでも、もともとは取締役という肩書きを外したかっただけで、平社員として再雇用してもらうという選択肢も考えていたんです。ただ、週5日働くとなると、先ほどのライフワーク的な活動ができなくなるので、週1日か2日は、別のことをしたいという思いを持っていました。

 実は、私が社長を降りたぐらいのタイミングで、アジャイルメディア・ネットワークは、フルタイムもしくは業務委託しかないという規則に変えていたんです。

 個人的には“梁山泊”的なカルチャーが好きなこともあって、私が社長の時には、外部の人に週数日でも社員として関わってもらうスタイルを採用していたのですが、フルタイムの人からすると、どうしても週2、3日だけ働いている人が会社にコミットしていないように見えたりして、うまくいかなかった経緯があるんです。

 その結果、そういった勤務形態を整理して、フルタイムか業務委託かという選択をしてもらったんですよね。なので、自分で規則を変えておいて、自分だけ「週3日社員」になるというのは、ちょっと虫が良すぎるよねと思って、嘱託になってしまった次第です(笑)。



——アジャイルメディア・ネットワークでの徳力さんの動きを見ていると、エバンジェリストとして自社のマーケティングソリューションを啓蒙してほしいという会社はたくさんあると思います。

 そうだったら、ありがたい話ですけどね。たしかに、「御社のマーケティングをします」と、どこかの会社に自分を売り込めば、それなりの条件で採用してくれる可能性はあると思うのですが、そういったB2B向けの活動は、アジャイルメディア・ネットワークの仕事で十分だと考えているんです。

 やはり、ブログやSNSがらみのユーザー向けの活動に時間を使いたいなぁ、と。今ところ選択肢がいくつか見つかっているので、きれいに整理して7月に発表したいと思っているところです。

——さまざまな経験をされてきた徳力さんが、やりたいビジネスを見つけて、新しい場所で挑戦されようとしている姿に勇気づけられる人もいそうです。

 そうなれば、いいですね。個人的には15年前の自分のように、会社での肩書きに加えてブロガーという肩書きを自分につけることによって、会社に依存してしまっている状態よりも少し身軽になり、逆に仕事で成果を出せるようになるタイプの人は、世の中にたくさんいるのではないかと思います。

 私自身も、前職のアリエル・ネットワーク時代は仕事が上手くいかず、クビになったらどうしよう、という不安を常に抱えているタイミングがありました。しかし、ブログを始めたおかげでネットワークが広がって、仮にクビになったり、会社が倒産したりしても、きっとどこかの会社が拾ってくれるだろうと考えるようになって、かなり楽になって、仕事に安心して集中できるようになったんです。



 その結果、本を出せたり、今の会社に誘ってもらったり、社長までやらせてもらったり、こうやって退任しただけでインタビューもしてもらえるわけで、ブログがなければこんなことは絶対にあり得ませんでした。

 今は、ブロガーと言うと、アフィリエイトで儲けようとしている人というイメージを持つ人も多いのですが、実はブログはビジネスパーソンが自分が所属するコミュニティやネットワークを広げるためのツールとしても活用できるということを、もっと多くの人に知って頂きたいですね。
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