ほろ酔いマーケティング談義 Tipsy Tips for Marketers #04

もし自社の商品が突然、違法になったら? 禁酒法時代に学ぶ「不確実な時代」のサバイバル術

キューバを訪れるインフルエンサーを味方につけろ


 バカルディ社の初代ブランドアンバサダーと言われているラファエル・バリエンテは、この時代、真っ白なスーツに身を包み、真っ白なキャデラックのオープンカーで、ハバナの空港に乗りつけるのが日課でした。

 そして空港の出口でキューバに到着したばかりの人たちの中から、見た目のいい人、影響力のありそうな人、俳優などの有名人を見つけるやいなや声をかけ、自分のキャデラックに乗せてバカルディ本社へと向かいます。

 本社にある素晴らしいバーでお酒を振舞い、シガーをすすめ、巧みな話術で場を盛り上げ、最高の体験を提供し、彼らインフルエンサーの口コミによって、バカルディ製品の素晴らしさを広めることに成功しました。
 
バカルディ初代ブランドアンバサダーのラファエル・バリエンテ(中央)

 ラファエル・バリエンテは、単なるお世話係ではなく、誰よりもキューバでの最高の時間を愛し、人生を満喫した、実に愉快な人物だったと、歴代のブランドアンバサダーの中で語り継がれるレジェンドです。

 自社製品の最大のマーケットが突然消失するというビジネスの危機にあって、バリエンテからにじみ出る洒脱さとクールさこそが、カリブ海の酒、ラムの精神を体現していると私は思います。



 この双子の美人姉妹が写っているのが、ハバナ市内のバカルディ本社の中につくられたアールデコ調のバー「エディフィシオ」です。

 インスタ映えという言葉が発明される100年近く前に撮影された、インスタ映えする写真ですね。
 

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