ほろ酔いマーケティング談義 Tipsy Tips for Marketers #04

もし自社の商品が突然、違法になったら? 禁酒法時代に学ぶ「不確実な時代」のサバイバル術

禁酒法が、カクテル文化を発展させた


 お金持ちの米国人が週末をキューバで過ごすことができましたが、そうではない庶民たちを救ったのが「スピークイージーバー」でした。

 スピークイージーとは、いわゆる「もぐり酒場」のことです。書店であったり、理容室であったり、雑貨屋であったり、一見、お酒にはまるで関係していないようにみえる店の裏側や隠し扉の向こう側にお酒を提供するバーがある、というものでした。
 
禁酒法時代のスピークイージーバーを模した現代のバーの入り口(本棚の向こう側がバーになっています)。
 
その本棚の向こう側にあるバー(スコットランドにあるPanda & Sons

ただ、本来は法律で禁止されているお酒をサーブしているわけですから、いつ摘発を受けるかわかりません。

そのため、踏み込まれても誤魔化せるようにお酒には見えない「カクテル」のテクニックが発明され、同時に正規の酒類が販売できないために急増した粗悪な密造酒を美味しく飲む方法としてもカクテルの技術が進化した、と言われています。

一方で、こうしたもぐり酒場で働くことをよしとせず、母国である米国を離れて欧州に渡った腕の良いバーテンダーも少なくありませんでした。彼らが米国で磨き上げたカクテルの技術を欧州に持ち込み、カクテル文化が飛び火したと言われています。

現在も世界で最も影響力のあるバーのひとつとして名前のあがることが多いロンドンのサボイホテルにあるバーの名前が、「アメリカン・バー」なのも、こうした時代背景から来ています。
 

禁酒法という逆境をチャンスに変えた


 美味しいカクテルのあるところにバカルディあり。欧州に渡った米国人バーテンダーのおかげで、バカルディのビジネスは欧州で大いに拡大することになったのです。禁酒法という逆境をチャンスに変えたのです。

 禍を転じて福と為す。そのためには、まずはリラックスして、カクテルの一杯でものんびり飲んでから策をたてると良いのかもしれません。

 最後に、伝説のブランドアンバサダー、ラファエル・バリエンテが好んでゲストにサーブしたと言われているダイキリのレシピを紹介します。


 
材料
バカルディ スペリオール    45ml
ライムジュース    20ml
砂糖    2tsp
あるとよい道具
シェイカー

作り方
材料をシェイカーにすべて入れてシェイクしてグラスに注ぐ。

マーケターの皆さん、不確実の時代を冷えたダイキリと賢いアイディアとともに大いに楽しみましょう。

Enjoy Cocktail ! Enjoy Life !




 
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