TOP PLAYER INTERVIEW #17

本田哲也氏が独立して見えた世界 「フレキシブルなチーム編成が業界に求められている」

年内に新プロジェクトを発足、新しいサービス提供を模索


——本田事務所は、PRエージェンシーと組んで仕事をしているのでしょうか。

はい、現在はPRエージェンシー数社と仕事をしています。独立後に各社に「今後は一緒にお仕事ができれば」とご挨拶に行ったんです。本田事務所は、戦略立案が仕事の中心ですので、具体的なエグゼキューションは他社と組む形にしています。

PRエージェンシー側からも期待の若手を付けるので、戦略面を教育してほしいと言われたりしています。そういった担当者が10年前に私の著書『戦略PR』を読んでくれていたりして、こうやって一緒に仕事ができることが私もとても嬉しいんです。

今のところは、クライアント、エージェンシー、本田事務所と「三方良し」になっていると思います。



——本田事務所の今後の展開について、教えてください。

私の構想として、本田事務所が「フレキシブルチーミング」を行っていく上で活用するデータベースをつくりたいと思っています。先ほどお話ししたように、クライアントはプロジェクトごとに最適なチームを組みたいと考えています。さらに、働き方改革の流れもあって、副業はじめ個人として働きやすくなっています。そうしたクライアントとPRパーソンをマッチングさせたいと思っています。

——それは、どのようなイメージでしょうか。クライアントからもアクセスできるオンラインデータベースでしょうか。

いえ、本田事務所側が持つデータベースです。例えば、スタートアップ企業から半年間だけ広報プランナーが欲しいという依頼を受けて、最適な人材を派遣するという流れです。

PRはプロフェッショナルサービスなので、今までの人材派遣の考え方だと限界があると考えています。履歴書だけを見ても、その業務が本当にできる人材なのか、分からないんです。そこには、PRを熟知した目利きが必要です。さらに、そのデータベースには、教育的な側面を持たせるつもりでいます。私がその登録者に対してプログラムを組んで教えた上で派遣していくイメージです。

従来のPR会社は、正社員を雇って、会社として大きくなる流れを辿って来ました。本田事務所は、フレキシブルな組織として大きくなる構想を立てています。私は個人で仕事を受けるために独立したのではなく、新しいサービス提供の方法を模索していきたいと思ったんです。年内には発表できる予定ですので、楽しみにしていてください。
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