伊東塾 in 北海道 特別対談 #01

商圏のニーズにどこまで応えるべきか。 吉野家 サツドラ エリアマーケティング対談

 P&Gにおいてグローバルのバイスプレジデントを務め、現在は吉野家 常務取締役の伊東正明氏による、実践を重視したマーケティング研修プログラム「伊東塾」の北海道・札幌での初開催が決定した。

 その開催を記念し、北海道札幌市に本社を置き、地場に密着しながら最新テクノロジーを積極的に導入するドラッグストアチェーン「サツドラ」を展開する、サツドラホールディングス 代表取締役社長の富山浩樹氏と伊東氏に対談してもらった。
 

12月の沖縄で豚汁ポスター掲出、10月の北海道でメニューに牛すきが無いのは、正しい?

 
サツドラホールディングス 代表取締役社長 富山浩樹氏(左)、𠮷野家 常務取締役 伊東正明氏(右)

伊東 吉野家は一般的に「駅前」「カウンター」というイメージがありますが、実態は1200店舗のうち、このタイプに該当するのは400店、それ以外の800店が郊外店です。

また、「サラリーマンが行く店ですよね」と言われることも多いですが、それ以外にも車で仕事をする人がお昼に利用したり、平日夕方は主婦がお持ち帰りしたり、週末は家族連れが郊外店を利用したりという比率が大きなパートを占めています。

しかし、現在の吉野家は、店のタイプに関わらず、原則としては全国一律で本社が決めたプランを実行しているんです。例えば、12月は寒いから豚汁が売れるだろうと豚汁のポスターを貼るのですが、東京と同じように沖縄でも貼る。でも、実際のところ、沖縄にいると何で豚汁のポスターが出ているんだという気温なわけです。反対に10月に北海道に行くと、何でまだ「牛すき鍋膳」を売ってないの?と思ったりします。

地場に密着した店舗は、最大のメディアであり、コミュニケーションツール。店舗を情報発信の母体として考えたとき、どうすれば商圏のニーズに対応できるのか、今は模索している最中です。
伊東 正明 氏
吉野家 常務取締役

P&Gにてジョイ、アリエールなどのブランド再生や、グローバルファブリーズチームのマーケティング責任者をアメリカ・スイスにて担当。直近までヴァイスプレジデントとしてアジアパシフィックのホームケア、オーラルケア事業責任者、e-business責任者を歴任。2018年1月より独立、ビジネスコンサルタント。吉野家 常務取締役。

富山 たしかに、季節特性は最も地域差が出るところですよね。とは言え、チェーンストア産業の存在価値は、地方でも都会と同じような水準の生活を送れるように、その差を減らして標準化していくという面が大きいんです。

売上としては、わずか数パーセントの“地域ならでは”に労力をかけすぎて失敗することもよくあります。それよりも残りの9割以上の通常の品揃えに労力をかけて、しっかりと実行していく方が効果も高いと考えています。
 
富山 浩樹 氏
サツドラホールディングス
代表取締役社長

1976年札幌生まれ。札幌の大学を卒業後、日用品卸商社に入社。福島や東京での勤務を経て2007年サッポロドラッグストアーに入社。2015年5月に社長就任。2016年春からは新「サツドラ」ブランドの推進をスタートし、インバウンドにも力を入れる。また2016年8月にはサツドラホールディングスを設立し代表取締役社長に就任。

伊東 たしかに現場にいる人は、独自性を出したがるのですが、リソースに対するリターンは、その場にいる人には判断がつきづらいですよね。独自性をどこまで認めるかは、難しい判断です。

そこで私が構想を練っているのが、商圏ごとのツールキットです。地域性に合わせたツールを何パターンかつくり、各店舗はその中から商圏にあったものを選んで実施してもらうというアイデア。今は実験をしながらツールキットの中身を揃えているところです。

富山 それは面白いですね。サツドラとしても、店舗のツール展開は大きなテーマとして考えています。先ほどの豚汁のポスターにしても、それをきちんと貼るのか、貼るとすれば、どこにどう貼ると効果的なのか。それらは店長の考えによって違ってくるため、マニュアル化しづらいことだと思います。
 
北海道開催が決定!
元P&G バイスプレジデント 伊東正明氏のマーケティング研修「伊東塾」
 
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