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マーケティングは、街にどう貢献できるのか #01

レッドブルCMOが、次の仕事に「渋谷のまちづくり」を選んだ理由

 AT&Tやノキア、レッドブルなど外資系企業を中心にマーケティングを担ってきた長田新子氏は、2017年10月から「渋谷区渋谷未来デザイン会議」に参加。そして2018年4月、街の社会的課題の解決策や可能性をデザインする組織として「一般社団法人渋谷未来デザイン」の設立に加わった。

 なぜマーケターとして活躍していながら、街づくりに関わることにしたのか。その背景や具体的な活動を紹介してもらいながら、ブランドマーケティングの知識やノウハウをシティブランド創造やプロモーションにどう活かすことができるのかライブでレポートしていく。

 

渋谷区で働くことは、偶然の産物

 「え、次はそこに行くの?」

 それが、今までお付き合いがあったマーケティング関係者に、私の「次の職場」について伝えたときの反応だった。

 一般社団法人渋谷未来デザイン、それが私の次の職場だ。

 長年に渡って、外資系企業でマーケティングを担当してきた。レッドブルの次にどんな仕事をしようかとすごく悩みながらも、次はもっと日本に貢献する仕事がしたいと思っていた。それはもちろん、グローバルなブランドに所属していてもできると思うし、他にも可能性があったかもしれない。

 渋谷区で働くことに決めたのは、偶然の産物。たまたま自分が渋谷区民で、渋谷の企業で働いていたこと。そしてここ数年、渋谷区関係者と一緒に実際のプロジェクトを取り組んでいたからこそ、街での仕事に参加させてもらうチャンスが生まれたと思っている。
 
渋谷未来デザイン公式ホームページ
渋谷未来デザインWebサイト

 お話をもらったとき、自分が行政関係の仕事をすることなんて想像もできなかったが、ワクワクする気持ちが起ったことは今も覚えている。半信半疑で渋谷の目指す方向と組織について副区長から説明を受けて、さすが民間出身ということでビジネス意識が高いだけでなく、情報量の多さと頭の回転の速さに驚愕した。

 民間での経験者がこれからの行政に必要で、もっと交わるべきとの一言から、まずは実際に参加して何ができるかを考えてみようと決めた。最初の数ヶ月は受け側も自分にとってもトライアル期間だったが、知らないことの連続ながらも仕事をするメンバーは社会のことを公平や視点で真剣に考え、いい人が多く、本当に勉強になった。

 最終的に渋谷区で働くことを決めたのは、前職のレッドブルで様々なコミュニティと密に連携して活動したことも、自分の背中を押すことになったのは間違いない。そこで、まずは渋谷区での仕事について触れる前に、自分がこれまで取り組んできたマーケティング活動について紹介したい。

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