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マーケターとしてのレールから離れて、僕は自由になった。『VISION DRIVEN』著者 佐宗邦威

「自分モード」で何をやりたいかが大事

 その時に僕が思ったのは、数字が上がるとか、他の人から評価されるとか、ブランドマネージャーになるとかって、全部、外的な評価で書籍『VISION DRIVEN』の中で書いた「他人モード」なんですね。

 「他人モード」で頑張り続けるっていうことに、すごく疲れてしまって。書籍の中でも紹介したように一度、下に落ちたんです。



 自分がキャリアのレースから落ちて、真っ暗なところからまぶしい華やかなマーケティングの世界を見てみると、この時はほとんどのものがつまんないって感じたんです。その中でデザインやカラーセラピー、アート、絵を描くといったことが、この頃唯一、自分にとってカラフルに映りました。

 「ここに何か大事なものがあるのではないか」と感じて、デザイン思考について学んで、2009年にデザインコンサルティングの会社をつくって独立しようとしたんですけど、当時はうまくいきませんでした。

 それで現場を経験しようとソニーに入ったんです。すると、P&Gとは全然違って、ソニーは、現場がすごく強いんです。自分たちの感覚で面白いものをつくるという「つくり手魂」を持っているエンジニアやデザイナーがごろごろいたんですよ。

 そこでは、P&Gでやってきたみたいなカスタマーインサイトをちゃんと共有して商品をつくるというアプローチでは、社内のスタッフが動かないんですね。ソニーのエンジニアやデザイナーは、「こいつはつくり手かどうか」「どんな世の中をつくれるものを持っているのか」という魂のぶつけ合いで、初めて心を開いてくれるところがあって、このままマーケターモードじゃダメだって痛感したんです。

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