ほろ酔いマーケティング談義 Tipsy Tips for Marketers #06

「CGM誕生と爆発的成長」 顧客と誠実な対話をする習慣が大事 平成のマーケティングトピック2

前回の記事:
「テレビCM崩壊、せず」事実を冷静に見つめる目が必要 平成のマーケティングトピック その1
 前回 に引き続き、今回も8月に私が登壇したBackstageというイベントでのセッション「平成における3大マーケティングトピック」からその内容の一部を紹介したいと思います。

 前回は「テレビCM、崩壊せず」でしたが、今回のテーマは「オンラインCGMの誕生と爆発的成長」です。
 

CGM(Consumer Generated Media)という言葉も平成に生まれた


 1999年(平成11年)5月に開設されたネット掲示板2ちゃんねるから、2010年(平成22年)10月にサンフランシスコで誕生したInstagramまで、平成の世のインターネットでは、いくつかの巨大CGMプラットフォームが誕生しました。

 「マイミク」「足あと」などで一世を風靡したmixi。金曜ロードショー「天空の城ラピュタ」の「バルス!」で同時ツイート世界記録が日本から生まれたTwitter。

参考:【バルス】 ツイート数世界記録トップ5を日本が独占していたことが判明! 海外で「日本人のTwitter好きは異常」と話題

 芸能人がブログを書く場所といえばアメブロ、という代名詞になりサイバーエージェントの現在の最注力事業であるAbemaTVへの源流となったアメーバブログ。実名制ソーシャルネットワークは、日本では流行らないという予想を裏切り、日本でも大きな成長を果たし、地球上で23億人が毎月利用している世界最大のソーシャルネットワークプラットフォームFacebook。動画投稿のプラットフォームとして、YouTuberという新たな職業まで生み出したYouTube。中国からやってきた若年層を中心に日本でもユーザー数を伸ばしているTikTok。

 これらのCGMプラットフォームで人気のコンテンツは、テレビ局のプロデューサーや新聞や雑誌の記者や編集者などの従来のメディアの担い手であった「情報発信のプロフェッショナル」の手によるものではなく、ごく普通の名もなき学生やサラリーマンや主婦といった「アマチュア」によるものです。

 必ずしも洗練されているわけではないけれど、自分の思いや意見、体験、映像を世の中に発信したいという気持ちだけなら誰にも負けない、そんなインターネットという発信装置を手に入れた市井の人々がクリエイトする情報です。インターネット以前の世界においては、社会の中のごく一部の選ばれたエリートしかマスに対して情報発信できず、一般のアマチュアは「ハガキ職人」になったり「仮装大賞」に応募したりはできるものの、あくまでその作品がプロの眼鏡にかなってピックアップされた場合だけ、プロのフィルターを通して日本中に届く電波や印刷物に掲載されることが可能だったにすぎませんでした。

 そしてインターネットが「情報革命」と言われるのは、名もなき一般大衆がいきなり世界中につながったインターネットという装置を使って情報発信ができるようになり、しかも、その情報が皆の話題になりリレーのように伝播していけば、時にピコ太郎のPPAPのように世界規模の大ヒットコンテンツにだってなりうる、そんな現象を可能にしたからに他なりません。
 
PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)

 2006年(平成18年)、米国の雑誌TIMEは毎年行っている「パーソンオブザイヤー」に「YOU」つまり読者自身、「あなた」を選出し、「あなたが情報社会をコントロールしているのだ」と宣言しました。
 
Person of the Year 2006

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