ほろ酔いマーケティング談義 Tipsy Tips for Marketers #06

「CGM誕生と爆発的成長」 顧客と誠実な対話をする習慣が大事 平成のマーケティングトピック2

ブランドの力強い味方、ファンとしてのネットワーク効果


 一方で、CGMを味方に付けることができたサクセスストーリーもたくさん生まれました。
平成ではなく令和の世になってからの話になりますが、一番最近、私が目にしたCGMがもたらした千客万来のニュースが、仙台市の純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」です。

 全国チェーンのカフェに押されすっかり客足が途絶え今年の12月での廃業を決めた店の主人が、ごく僅かの残されたお客さんに店での体験をソーシャルメディアで発信してくれないかとメニューに貼り紙をしてお願いしたところ、若い男性客がこの貼り紙や店内の写真をツイッターに投稿。なんとその翌日から、このツイートを見て来店する客が急増し、店主は一度決めた廃業を思いとどまろうかと思案するようにまでなっている、というのです。

参考:「純喫茶」閉店決断したのに 突然、若者が集まり始めた 

 この仙台市の純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」のように、お客がそのお店のこと、あるいはブランドこと、自分の体験のことを、人に広めたい、と思ってくれたら、そこに金銭的あるいは物質的なインセンティブがなかったとしても、人々は自分のソーシャルメディアアカウントから情報を発信してくれて、時にその情報が拡散して、大きなプラスの効果につながることがあります。

 しかし「タダで一般の人が宣伝してくれる、なんて美味しい話だろう」といった勝手な思い込みでCGMキャンペーンを企画し実行すると、時に痛いしっぺ返しをくらうことになることも、平成の世に多くのブランドが味わった苦いレッスンでした。

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