TOP PLAYER INTERVIEW #21

500万人突破 急浮上のメルペイ、HIKAKINとはじめしゃちょー起用キャンペーンの裏側

2大ユーチューバー起用の裏側を明かす


——「すすメルペイ」キャンペーンを企画した背景を教えてもらえますか。




大前 
まず、M1層・F1層と言われる34歳以下の若年層のキャッシュレス決済の利用比率が低かったので、そこに大きなチャンスがあると思っていました。

それから、7月に発表された外部調査機関のレポートの中で、「薦めたいPayナンバーワン」、「満足度ナンバーワン」にメルペイが選ばれたんです。もともとメルペイは使いやすいという声を多くいただいていたので、それを若年層に広げる接着剤のような企画ができればと思っていました。

その時に、スマホ決済には、インターネット業界ではお馴染みの「招待」が合うと思ったんです。人に薦めても恥ずかしくないプロダクトであるし、広告が効かない若年層には人から薦めてもらうことで数を積み上げていけるという自信がありました。
大前宏輔氏
メルペイ マーケティンググループ リーダー
京都大学教育学部卒業後、2012年サイバーエージェントに入社。 インターネット広告事業部門の営業局長を経て、2018年9月よりメルペイに入社。 現在はマーケティンググループリーダーとして、キャンペーンプランニング・オンライン/オフラインのメディアプランニング業務を統括。

——HIKAKINとはじめしゃちょーの起用は、どのような経緯で決まったのですか。

大前 
増税前までを大きなターニングポイントと捉えていたので、8月30日のキャンペーン開始から1カ月という短期決戦で高さを積むべきとなったときに、そのキャンペーンを盛り上げる話者の選定は重要なポイントでした。

その点でパワーのあるテレビタレントの起用も考えましたが、情報の早いインターネットの世界で瞬間的に話題をつくれるYouTuberの2人は、若年層への影響力とキャンペーンの性質、両方の観点から見て効くと判断したんです。

あの2人の同時起用は、ターゲットを食い合わず、ニュースバリューを生み、補完できるだろうという意図もありました。はじめしゃちょーはファンコミュニティの濃度が濃くて、彼があげる動画やツイートへの反応も濃いし早い。私の感覚ですが、女性と20代に人気です。

一方でHIKAKINは、子どもからの人気が高い。子どもが好きなものは親世代も好きになると考えると、彼の起用はティーンだけでなく、その親世代をカバーできると考えました。

——同時起用というと、プロダクションから反発がありそうです。

大前 
それは、2人から企画自体に興味を持ってもらえたのが大きかったと思います。あの2人が招待して最大で1億円のポイントが集まる可能性があるという企画は、YouTuberからすると「何、それおもしろい!」となったと思うんです。過去には100万円企画はやっていますが、1億円企画をやった人はいないので。

それと、彼らはいわゆるタレントと違って広告契約が一番のプロフィットセンターではないんです。自分で動画をつくって、その閲覧から収入を得ています。だから単に「テレビCMに出てください」では、彼らの良さが活きないという感覚もあったので、彼らのファンが面白いと思えるもの、「メルペイはすごいな!」という企画を出そうと意識しました。そこに共感を得てもらえたのかなと思います。

山代 
コンテンツとして面白いと思ったものに関して、2人は自発的にオーガニック投稿をしてくれるんですよ。

大前 
原宿の竹下通りに10メートルくらいの大きさのポスターを掲出したのですが、それを2人に伝えたら、「じゃあ見にいきます」って。2人で変装して原宿デートする動画をHIKAKINさんが投稿してくれたんです。

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