デジタル時代のブランドコミュニケーション研究会 #04Sponsored
資生堂、ライオン 統合マーケティング実現に向けた組織構築【研究会レポート】
全体のプランニングができる人材を
2017年10月、ライオンのマーケティング組織が大きく変わるタイミングで入社した大村氏。それまで宣伝部内には、メディアの買い付けをするメディアチーム、マスのメディアプランを実行するブランドチーム、デジタル施策の企画・実行およびオウンドメディアを運営するDC推進室、クリエイティブを開発する制作室に分かれていたが、全体のプランニングを担当するチームが存在しなかった。そこで新たに生まれたのが、大村氏が所属するCXプランニング室だ。
「宣伝部をコミュニケーションデザイン部に再編成し、その下にメディアの買い付けを担う統括チームとCXプランニング室を設けました。従来は全体のプランニングを広告代理店に任せきりになるケースが多く、社内にプランニングが出来たり、全体をプロデュース出来る人材を集めることでIMC推進のリーダー的な機能を発揮することが狙いです」(大村氏)。
新体制になって、プロジェクトの進め方も変わった。ブランド戦略の策定をブランド事業部が中心となって実施し、その戦略に基づいてCXプランニング室がIMC戦略を策定し、それを実現するためのメディアプランについて広告会社を交えて考えるという流れだ。全てのブランドでこの流れを実現出来るようにフローの改善を推進している。
人的リソースの強化も推進
ライオンでは2018年1月に新組織「トレードソリューションセンター」が誕生した。小売業への提案機能を強化することが狙いで、各社と個別に取り組みを行うようにした。
「8割近くが店頭で購入されている日用品雑貨においては、トレードソリューションセンターと連携し、流通企業の要望を踏襲したデジタルでの受け皿を用意した上でIMCを推進することがポイントです」
また、ライオンも資生堂同様に人的リソースを強化している。コミュニケーションデザイン部は、CXプランニング室、クリエイティブデザイン室、DC開発室、統括チームと、全体で50名ほどの組織だが、そのうち10人以上は外部から採用している。
「ほとんどがデジタル系企業や部門の出身者です。最初からデジタルとマスを含めたメディアプランを設計できる人がベストですが、そうした人材はそもそも市場に数が少なく、採用が難しいためデジタル側の人間を採用しながら取り組んでいるのが現状です」と話し、ディスカッションへと繋いだ。