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6年連続志願者数1位の近畿大学 広報室長が語る「PRで成果を出す仕組みづくり」

 2019年大学志願者数ランキングで、6年連続の日本一に輝く近畿大学。2020年も1位を獲ることができるか、注目を集めている。その1位獲得に貢献しているのが、完全養殖クロマグロ「近大マグロ」はじめとする同大学のユニークなPR活動だ。近畿大学の広報室を率いる、加藤公代さんに「成果を出すPRの秘訣」を聞いた。
 

志願者数No.1で居続けられる背景


――現在、加藤さんは近畿大学の広報室長をされていますが、広報業務にはいつから携わるようになったのでしょうか?

 私が入試広報課に異動したタイミングですので、2009年からです。そこで世耕(世耕石弘・現近畿大学 総務部長)の部下になって、それから10年ほど一緒に色々なことを仕掛けてきました。
 
近畿大学 広報室室長 加藤公代さん

――近畿大学と言えば、「近大マグロ」はじめインパクトある広報活動が有名です。そして6年連続で大学入試の志願者数日本一という功績を出しましたが、加藤さんご自身は近大のPR戦略をどう捉えていますか?

 「志願者の多さ=大学の価値」にはならないので、あくまでも結果でしかないと捉えています。とは言え、「数は力である」ことは確かだという思いもあって、志願者1位を目指していなかったかと言えば、嘘になります。少子化を受けて受験産業が志願者ランキングを重視するようになってからは、大学の価値を測るひとつのバロメーターですよね。

 特に、その価値を実感したのは、2014年度の入試で初めて志願者数1位になったとき。その前まで明治大学が4年連続1位、さらにその前は早稲田大学など、首都圏の大学しか1位を獲ったことがなかったんです。「そんな状況を変えた。しかも大阪の大学が」というニュースが大きく取り上げられたんです。

 私たちの仕事は、話題づくりをしてブランド力を上げて大学の価値を上げること。学生が社会に出たとき、「近畿大学 卒業」であることが何らかの得になるようにしてあげることが、日々学生と直接関わる教員や部署とは違って、私たちが広報の力で学生に提供できる価値だと思います。

――近大の中では、話題づくりをしてブランド力を上げることがPRの役割だと、位置付けているのですね。

加藤  そうですね。それと、古くから関西の大学では、「関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)」、「産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)」という大学の“くくり”のような言葉があるのですが、ひとまとめで認識されることへの閉塞感を崩したいとも考えていました。志願者数1位を獲るのは、そのためのひとつの手段でもありました。
 
2017年1月には、「早慶近」と打ち出した新聞広告も実施した。

――志願者数1位になる上で、PRはどのような役割を果たしたと考えていますか。

 大学の認知度を上げたり、近大の特徴を伝えたり、といった面での貢献があると思います。「近大マグロ」のように、全国的なニュースになると「大阪にある近大は、こんな面白いことしているんだ」と思ってもらえて、知名度が上がり志願に結びつくこともあります。

 もちろん高校訪問にも力を入れていますが、それは人が行うことなので、どうしても限界があります。そこを超えるために、メディアの力が効くと思っています。

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