マーケターが抱えるジレンマ #01

現代のマーケターが抱える「ジレンマの正体」


マーケターのアップデートが求められる


 本質的価値への挑戦を実行するためには、少なくとも「PSF」と「PMF」の2つの状態を達成する必要があります。そして、ビジネスとして成立させるためには、マーケターが比較的苦手かもしれない「PL(損益計算書)」や「CF(キャッシュフロー)」といった、基本的なファイナンシャルの知識が必要になります。

 まず「PSF」とは、プロブレム・ソリューション・フィットの略であり、「解決に値する課題(ジョブ)と、その課題の最適な解決方法を見つけること」となります。まさにマーケターの最も得意な領域となります。

 ただ、この課題が単なるニーズやウォンツではないことに注意が必要です。ジョブ、またはインサイトにフォーカスする必要があります。最近では、インサイト調査を専門に支援する企業も存在しますので、そういった企業の助けを借りるのもオススメです。

 次に「PMF」ですが、プロダクト・マーケット・フィットの略であり、「顧客を満足させる最適なプロダクトを最適な市場に提供している状態」を指します。まさに、マーケティングの「STP(セグメンテーション・ターゲティング・セグメンテーション)」と「4P」を実践することと同義です。

 そしてPMFが達成すると、我われマーケターが慣れ親しんでいる「グロースハック」の出番です。PDCAを高速に回し、磨き上げていきます。

 もうお気づきかもしれませんが、「マーケターのアップデート」と書きましたが、ここで書いていることは、フィリップ・コトラー教授が述べている「マーケティングの基本要素」にほかなりません。

 つまり、私が考えるマーケターのアップデートとは、マーケターとしての本来の役割を取り戻すことそのものです。

 まずは、規模は小さくとも良いので、とにかく始めてみることが重要ではないかと考えています。そして立ち上げたソリューションのPL責任(正確にはキャッシュフローの責任)を持って運用して見える景色は、これまでとは違うはずです。

 でも、正直すごく大変です。自分も現在、小規模ではありますが、2つの新規サービス(参照:オートガリバー)を立ち上げ、PL責任を持って運用しているのですが、これまでのマーケティング戦法(運用)とは異なった筋肉が要求され、毎日筋肉痛というのが実体です。
 


 ただ、そこから得られる示唆はとても大きくマーケティングに対する考え方もだいぶ変わりました。

 そしてこの取り組みは、ある意味で「小さなデジタルトランスフォーメーション」だと考えています。例えば、いきなり全社レベルのビジネスモデルを根本から変えるようなインパクトが今はないとしても、池に投じる小石のように、小さな波紋が広がり、やがては全社のデジタルトランスフォーメーションにつながっていくと思っています。

 「マーケターのジレンマ」とか「マーケターのアップデート」とか、何だか偉そうな言葉を並べてしまいましたが、小さなデジタルトランスフォーメーションについて語り合える仲間が増えると嬉しいなと思い、この記事を書かせてもらいました。記事に共感してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に飲みに行きましょう!

 最後に、この「マーケターのジレンマ」は、今まさに現在進行形で自分の中で感じていること、そして自分自身に起こっている変化について書かせてもらいました。ただ、どうしても自分の感じていることのニュアンスなどが、記事だと伝わらず・・・。

 そこで、もっと上手く伝えられる方法がないものかと考えておりましたところ、アジェンダノートの編集さんからアドバイスをもらい「小説」を書いてみることにしました。

 小説など、全く書いたことなく、本当に書けるのかどうか全然自信がないのですが、頑張って書いてみたいと思います。

 ただ、もしかしたら途中で心折れる可能性もあり、いまも震えております(ガクガクブルブル)。もし挫折して、「書けなかった」ということになりましても、みなさま、暖かく見守ってください。
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