音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #12

ブランドパーパスは、すべての商品に必要でしょうか【音部で壁打ち】

 

パーパスは、どう規定できるのか?


 では、ブランドパーパスはどうすれば規定できるのでしょうか。それには、そのブランドの歴史を紐解くという分かりやすい方法があるのですが、新しく生まれたばかりのブランドは、まだ価値が安定しておらず考えづらいですよね。

 その場合は、「そのブランドが日本あるいは世界の過半数の世帯で、毎月(あるいは毎日)使われているような状況ができるとしたら、世の中にはどのような良いことが起きているはずか」という思考実験をすることで、大きく外さないパーパスをつくることができるでしょう。

 一方で、パーパスを推進するためだけのコミュニケーション施策は、個人的にはあまり「善ではない」と思っています。投下した予算を回収できる仕組みを作っておかないと、ブランドの長期の存続に必要な活動でありながら、長期に持続しにくいというジレンマに陥ってしまいます。余興ではなく存在意義なので、景気や好不調の波に左右されるのはよろしくありません。投下した予算を回収できる施策でありつつ、パーパスに則ったブランド体験の提供になっていると持続的に活動できます。

 ブランドはパーパスを持っていた方が存続しやすく、マーケターの矜持や美学にも適合します。そして、そのブランドパーパスとの一貫性は、あらゆるブランドが、あらゆる活動で意識すべきことだと思っています。
 
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