アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #01
新型コロナが、日本人の「対面最強」の呪いを解体する
アフターコロナ時代に、企業に求められること
より目的に対してスマートに解決手段を手にしたい消費者を前にして、サービスを提供する企業側はどう対応すれば良いのだろうか。答えは、簡単だ。企業側も、自社のサービスが持つコアな価値をスマートに提供すれば良い。
「コア」と「ノンコア」の切り分け。これがアフターコロナの時代に求められることだと私は考えている。
コロナ渦中にあって気になるサービスを個人的にリサーチしたが、明暗の分かれ目というやつを今まさに目にしている。
それは業種として、例えば飲食が大打撃を受けている、という意味の明暗ではない。「店舗を閉じる」という選択をしたサービスが、閉じたまま何もする気配がない場合と、店舗以外の手段で価値を提供している場合の差だ。その差は何なのか。
閉店以外に何もする気配のないサービスは、自社のコアな提供価値を明確にできていない可能性がある。こんな声が聞こえてきそうだ。
- オンライン化のスキルやリソースがない
- 私たちのお客さまは対面を希望していらっしゃる
- 大切なお客さまだからこそ、対面で接するのが礼儀だ
実際、対面を伴うことでしか成り立たないサービスはあるが、行政サービスも含め、よくよく考えると絶対的に対面に依存する必要のない部分はあるはずだ。
それでもオンライン化が進まない理由は、コロナ渦中になるまで「今のお客さま」に甘んじ、将来のお客さまの変化を見ようとしてこなかった、自ら変革してこなかったと言わざるを得ない。
自社の普遍的・本質的なコアとなる価値を見極め、手段は未来を見据えて予めつくっておけば、外部環境が変わっても、形を変えて価値を提供し続けることができたはずなのに。
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