アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #02

コロナと共にある時代、マーケティングが考慮すべき5つの視点【藤原義昭】

 

顧客との関係を見なおすべきチャンス


②顧客との関係を、再度強化することを考える

 自社を「応援してくれている顧客は、誰か」を再認識しましょう。この時期でも応援してくれる顧客こそ、本当の顧客でしょう。その顧客に耳を傾け、その関心事、困っていることなどを今まで以上に自分たちの力を使って解決できることはないかを考えて、実行すること。

 それによって、さらに顧客との関係性が深まり、結果としてLTV(ライフタイムバリュー)が高まり、長期的な自社の利益を確保できる道筋が見えるでしょう。

 某ブランド企業はLINEで顧客とつながりコミュニケーションを継続しています。そのときに、重要なのはセールスではなく、顧客との関係性の強化という視点です。

③資産・コスト配分の最適化

 あらためて自社の資産は何か?を棚卸しするときです。資産とは貸借対照表に入らない、人材、ブランドなども含まれます。

 コストが使いにくいときだからこそ、まずは自社資産をフル活用できないか検討すべきです。その上で最適なコストを配分し、資源は限られている中でも、ある程度フォーカスすることが必要でしょう。

④DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

 世界中で外出が自粛される中、デジタル世界の重要度がさらに増しました。ゆっくりとデジタル世界に移行しようとしていた企業も、急速に対応することが求められています。

 多くの場合、デジタル化は不可逆です。リモートワークが当たり前になり、駅前に綺麗で広いオフィスを高い賃料で借りなくても良いのではないか、と思い始めている経営者がいます。

 人は切羽詰まると、その環境に順応していきます。ワークスタイルも数カ月で一変しましたが、消費スタイルも同じです。今までデジタル化されてこなかった事業も急激にデジタル化します。前提は、既に変わっているのです。

 平常時では相手にもされなかったようなアイデアも、今は検討のテーブルに上げてもよいタイミングでしょうし、それを歓迎すべきです。また、デジタル化の推進には、従業員の意識も変えていく必要があります。リアル一辺倒でビジネスをしていた企業も今ならデジタルトランスフォーメーション(DX)ができるチャンスです。DXは働く人の意識や行動変容が必要で、ITスキルの向上はDXを加速させます。

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