音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #14

憂鬱な気持ちになったとき、プロとしてリフレッシュする方法

前回の記事:
上司の承認がもらえない!納得してもらうために必要なことは?【音部で「壁打ち」】
 

変身の時間をつくるか、切り替えスイッチを用意するか

 

【質問】

憂鬱な気持ちになったとき、プロとしてリフレッシュするために心がけていることはありますか?

 潜水艦「はやしお」艦長などを務めた元海将で、現在は金沢工業大学虎ノ門大学院で教授をされている伊藤俊幸さんが書かれた記事に次のような一文を見つけました。

 ‟ある研究で自殺の多い都市について調査したところ、その都市は「職住近接」が進んでいて「通勤がない」ことが大きなストレス要因となっていたそうです。”

 私自身も通勤時間は変身する時間だという感覚があったので、説得力のある記述だなと思いました。記事は、次のように続きます。

 ‟職場と住居との間で「切り替え」ができないと、ずっとひとつのことに意識が向けられて、ストレスのかかった状態が続いてしまう。在宅ワークが増えているいまだからこそ、大切な視点だと思います。”

 「切り替え」あるいは「変身」できる仕組みを持つことは大事な気がしていたので、私は一定の通勤時間を持つよう意識してきました。けれど、コロナ禍以降はリビングの隣が書斎なので、在宅勤務中に変身の時間はほぼありません。距離や時間もさることながら、着替えさえありません。ずっと同じひとつの人格でいます。公的な人格と私的な人格が混ざった状態で、どちらともはっきりしない、ぼんやりした状態がひとつだけです。モノを書いているときは、こうした風情が続くので、だらりとした緊張感が続いて消耗も著しいことが多いです。

 このように極端な職住近接は、慣れるまであるいは慣れてからでも、相応のストレスになるのかもしれません。記事では、往時の潜水艦内の解決策として「ヘッドフォンをして映画に没入すること」が紹介されていました。

 全身的な没入感によって、オンとオフの切り替えを促すようです。であるなら、映画に限らず、ゲームやスポーツ、バイクやクルマに乗るといった「全身的な没入感」のある活動で「切り替え」や「変身」を促すことが良さそうです。

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