音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #14
憂鬱な気持ちになったとき、プロとしてリフレッシュする方法
2020/06/09
睡眠時間がパフォーマンスに与える威力
月並みですが、きちんと寝ることがとても強力な作用をもつことも、実体験を経て重視しています。「ほとんど寝てないんじゃないか」という活動的な生活を何年も続けている人も確かに存在します(そして有能でもある)。しかも、ご本人はあまり苦痛ではなさそうです。同時に、万難を排して確実に8時間寝ていると明言する友人もいます(そしてこちらも有能です)。
こうしたことは個人差が激しくて、一概に「何時間寝るべき」「何時間で十分だ」と言えるものではないでしょうし、日によっても違ってくるでしょう。5時間で十分な日もあれば、8時間寝ても足りない日もあるはずです。ただ私の経験的には、平均5時間ほどだった睡眠時間を、7時間程度まで増やしてみたところ大きな変化を感じました。
脳の生理的な能力はそれほど変わらないだろうと想像しますが、調子の良し悪しはありそうです。十分な睡眠をとることで、実感できるほど思考速度が上がりました(あくまで体感なので、「気のせい」や「2時間余分に惰眠を貪っているのではない、という正当化」が入り込む余地は大いにあります。念のため)。
完全に「個人の感想」ですが、皆さんにも自分の身体や脳にちょうどいい睡眠時間があるかもしれません。最適なセッティングを見つけて、その差が体感できればラッキーです。
その時間は眠るようにしましょう。もし差が出なければ、それはそれでラッキーです。あなたの脳やパフォーマンスは睡眠時間に依存しないということです。能力が恒常的に安定しているのかもしれないし、睡眠時間とは別の変数に依存しているのかもしれません。
自分マニュアルを作成しておく
適宜、自信が揺らいで、いろいろ不安になるときがあります。そんなとき、やはり睡眠時間をとることで心が強くなる気がすることもあります。
他には良い食事だったり、人との会話だったり、良い文章を読んだり、自分の調子を整えるためのいろいろな手立てがあるでしょうが、そんな手立てのひとつとして、最後に私が実践している「好調時の自分のやり方を振り返る」という方法を紹介します。
スランプに陥ったスポーツ選手が、好調時のビデオを見るのに近いかもしれません。うまくいかない気がするときや、なんとなく不調なときは心や頭の使い方が好調な時の自分と違うのではないかと思います。
もしそうなのであれば、好調のときに使っている思考回路を再インストールすれば、復調できるのでは、という考え方です。好調時に自分がどのように考え、何に注視し、どのような順番で考えていたのか、といったことを意図的に再インストールしましょう。劣化した自信が、自分のOSを入れ直すことでリフレッシュされます。
そのためには、何かがうまくいったときや、うまく考えることができたときには、考え方をマニュアル的に記録に残しておくことをオススメします。うまくいかなかったときに同じ失敗を繰り返さないために、振り返りをするのは大事なことですが、うまくいったときには、将来の自分のスランプに備えて、「調子が良いときの自分マニュアル」をつくっておきましょう。
何に注視し、どのような原理原則を尊重して、どういった順番で考えたか、記しておきます。こうした好調時の自分のコピーがあれば、少々調子が悪くなっても自力で元に戻せるので、安心です。そして、こうした「自分マニュアル」は部下を育てるときにも使えて便利です。
連載音部で「壁打ち」の質問も募集中!音部大輔さんが皆さまからの質問に答えてくれます。こちらでお待ちしています。
音部大輔氏の書籍「マーケティングプロフェッショナルの視点」が発売(詳細・購入はこちら)
- 他の連載記事:
- 音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 の記事一覧
- 1
- 2