アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #09

ニューノーマル時代を切り開く、5つの行動指針 【菅恭一】

指針⑤:打ち手は小さく、を連発する


 いまは、ちょっと多動かな?と思えるくらいがちょうど良いのだと考えています。もちろん、むやみやたら、当てずっぽうでは資源をすり減らすだけなので、ダメです。前述の通り、資源を明確にし、最小限のリスクで、仮説的オポチュニティとのマッチングの精度にトライする、が良いのだと思います。ビル&ミランダ・ゲイツ財団も新型コロナウイルスに対するワクチンの開発を目的に、異なる開発をおこなう工場を7つ作りました。うち、一つ、二つ、当たれば良い、という考えです。彼らほど資源がないにしても、同じ戦略は取れるはずです。私の場合は、アイデアの数だけ様々なパートナー企業さんとディスカッションを進めています。

 これらの指針は、考えてみればコロナ以前より基本的な所作として心がけておくべきことだったかもしれません。しかしながら、新型コロナウイルスによって、資金も、時間も、行動範囲も、様々な制限が強調されたことは、戦略を考える上ではポジティブに作用したのかもしれません。できないことを明確に、限られた資源の中で、どのように目的に到達するかを描くことが、戦略の基本だからです。
 

ニューノーマルとは、イノベーションに支えられる時代


 緊急事態宣言が解除されたいま、慣性的に元の日常に戻る動きも一定量出てきそうです。私たちは日々のPLを抱えている都合上、これまでのビジネスをどう歩留まらせるか?という視点で動いてしまいがちです。一方で、変化の兆しを察知し、張っておくことも重要です。両利きの経営、でいうところの深化と探索の二つのアプローチをバランスよく実行することは簡単ではありませんが、私たちマーケターの動きには、このポートフォリオが求められているのではないかと考えています。

 ニューノーマルとは、言い換えると「新しい普通」とも言えます。これは、イノベーションの定義に極めて近いのです。イノベーションとは、革新的な何か、を生み出すことではなく、人々の生活に受け入れられて日常化することで、初めてイノベーション=「新しい普通」と呼べるのです。裏を返せば、ニューノーマルと呼ばれる時代は、いくつかのイノベーションに支えられて成り立つ時代と言えそうです。霧が晴れた先、新しい時代を切り開くためには、マーケターの活躍が不可欠だと考えています。
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