RYUKYU note #02
沖縄の天ぷらは、おやつ。ファミマと提携で注目「上間てんぷら」の成長物語
2020/06/19
沖縄県は、土地柄や歴史的背景に本土と大きな違いがあることから、ビジネスの進め方も従来の方法では、うまくいかないケースがあります。連載「RYUKYU note」では、沖縄で活躍する経営者やマーケターをバトンリレー形式でインタビューし、そのサクセスストーリーの裏側にある秘話や、沖縄ならではの戦略や課題、未来の成長に繋がるストーリーをひも解いていきます。
第2回は、沖縄のローカルフード「沖縄天ぷら」を製造販売する上間フードアンドライフの代表取締役 上間喜壽氏が登場。同社が展開する「上間天ぷら」が沖縄天ぷらを代表するブランドとして成長した背景や、注目を集めた沖縄ファミリーマートとの提携の経緯など詳しく聞きました。
第2回は、沖縄のローカルフード「沖縄天ぷら」を製造販売する上間フードアンドライフの代表取締役 上間喜壽氏が登場。同社が展開する「上間天ぷら」が沖縄天ぷらを代表するブランドとして成長した背景や、注目を集めた沖縄ファミリーマートとの提携の経緯など詳しく聞きました。
沖縄天ぷらは、食事ではなく3時のおやつ
――「沖縄天ぷら」は、一般的に食べられている天ぷらとは少し違うと聞きました。どのような特徴があるのでしょうか。
沖縄県人にとって天ぷらは食事というよりも、おやつです。私は夕飯で天ぷらを食べた記憶がないですね。家でおばあちゃんがつくってくれたり、街なかで軽食を出している飲食店や駄菓子屋で食べたりというのが、沖縄の天ぷら文化。もしかしたら、大阪のたこ焼きに近いイメージかもしれません。
その特徴は、衣(ころも)が主役ということ。魚やイカ、イモといった中身は、衣を引き立てるための“おまけみたいな存在”で、沖縄天ぷらは“粉もの”と言ってもいいくらいです。
――天ぷらが、おやつというのは驚きです。
はい。私たち沖縄の天ぷら屋は、朝食、昼食、夕食という3食のマーケットではなく、合間の10時、14時、16時を狙っています。沖縄には「小腹を満たす」という意味の「やーさんのーしー」という方言があって、お母さんが小腹が空いた子どもに「やーさんのーしーしなさい」と言って、おやつを出すんですよ。
それに、沖縄では天ぷらをちょっとした集まりに差し入れとして持っていくことも多いです。本土の人が手土産にドーナツを持っていく感覚でしょうか。スイーツは嫌がられることもありますが、天ぷらは若い人から年配の人までみんなが食べられるので、役場や学校などの集まりでの需要が高いです。