音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #15
マーケティングの賞に意義は、ありますか? 【音部で壁打ち】
2020/06/29
- 広告戦略,
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受賞は「プロフェッショナリズムの発現」と言える
【質問】
海外であればカンヌライオンズ、国内であればACC賞やTCC賞など、音部さんは広告賞はじめ、マーケティングの賞についてどのように考えていますか。
広告賞を忌避し、権威には目もくれず、自分自身の職業上の美学を堅持されるのは素晴らしいことと尊重します。私自身について言えば、各種の広告賞やマーケター向けの賞を大いに評価しています。
もちろん「玄人にしか受けない広告だ」や「賞のためにつくってるんじゃないよ」という意見には大いに賛成です。賞のためにつくられ、玄人受けだけを狙った広告は本来の趣旨に反しているように思います。同時に受賞作は、そうしたものばかりではないとも認識しています。
実際、私の知る限り、立派なプロフェッショナルとして活躍している人は、賞のために広告やブランドをつくっているわけではありません。でも、ビジネスの目的を達成し、受賞できるなら断然そのほうが素敵です。とてもシンプルなことで、重要なプロフェッショナリズムの発現だと思います。
広告賞を受賞することで一緒に働くチームメンバー、とくに広告会社のメンバーの苦労に報いることにもなるでしょう。皆さん会社員やフリーランスとして給料や報酬をもらっていらっしゃいますが、卓越したアウトプットを同業の先輩や仲間から公に認めてもらうことは、誇らしいことです。お金では買えない動機づけにならないわけがありません。そして、キャリアにわかりやすい戦績が追加されます。