マーケターズロード 鹿毛康司 #03
鹿毛康司の人生を変えた人、糸井重里、鈴木喬。
2020/07/13
人生の目標が叶った瞬間
コピーライターとしての糸井さんには、昔から憧れ尊敬していました。さらにはメールで確信したのですが、人格、洞察力、社会との向き合い方……どれをとっても雲の上の人でした。
それ以来、「糸井さんに会えるような人物になる」というのが僕の人生の目標であり、モチベーションになっていました。「会う」と一言で言っても、いろいろな方法があるけれど、お金を払って仕事を依頼するのではなくて、対談ができるようになりたいと思っていました。しかし、何年たってもそんな人物にはなれません。
2017年の秋。とあるマーケティングカンファレンスに糸井さんがゲストで登壇されていました。私は大人数の客席で糸井さんを初めて目の当たりにしました。私の思いを、隣に座っている徳力さん(noteプロデューサー 徳力基彦氏)に打ち明けると、「じゃあ、会いにいきましょう」と強引に楽屋につれていき、私は直立不動で出待ちすることになります。
覚悟を決めて、僕の人生を変えてくれた人にお礼を言うことにしました。頭の中は真っ白でよく覚えていないんです。その日、糸井さんがTwitterで「尋常ならざる真剣さの人が待っていた、だから真正面から挨拶した、ちょっと、うれしかった」というようなことを発言された時は、やっとお礼が言えた喜びでいっぱいでした。
糸井さんと対談する人物にはなれていないけれど、こうなったらと、日経クロストレンドさんにお願いし、それが実現することとなります。
夢のような時間でした。僕は誰に会ってもサインをねだらないことにしているのですが、「すみません、今日だけは」と貴重なサインをいただきました。「なにか言葉を書こうか」と僕のために1分近く考えて、ゆっくりと言葉を紡いでくれたのは「なんとか(改行)しろ。」でした。
その言葉を見て、思わずウルウルしている僕の顔を見た糸井さんは、きっと私を泣かせてはいけないと思ったんでしょうね。突然ギャグらしきことを口にされたんです。泣かずにすみました。そのギャグは思いだせないのですが、糸井さんの優しさはしっかりと心に刻まれました。
ともあれ、糸井さんは僕の人生を変えてくれたのです。そしてエステーの鈴木喬に出会えました。「会いたいと本気で思うこと」は大切ですね。
※第4回に続く
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