音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #17

ブランドマネジメントの文化とは、「善悪の判断基準」の導入である【音部で壁打ち】

 

気概について「理念の共有」


 一生懸命に戦っただけで勝った軍隊はありませんが、一生懸命に戦わずして勝った軍隊もありません。とはいえ、一生懸命にやるというのは意外と大変です。人間、ついつい手を抜きます。必ずしも手を抜こうと思って抜いているわけではないのも、辛いところです。

 我われのように、ひ弱な一般人でも「一緒にがんばるのだ」という意識を仲間と共有していると、不思議と手を抜けずにがんばれることがあります。仲間意識を共有するのは、一生懸命やるという気概を担保するのにとても有効だと思われます。

 そのための古典的な方法のひとつは、同じ釜の飯を食う、すなわち長時間一緒にいるというものです。仲間意識が自然に発酵するのを待つ、辛抱強いオーガニックな手法です。

 古い日本の組織の会議時間がやたらと長い傾向があったのは、こうした自然発酵を促す装置の役割があったからかもしれません。現代的な環境下では生産性の低さの象徴のように扱われますが、高度経済成長期の終身雇用体制下では、役割と機能があったのではなかろうかと想像します。
 
出典:123RF

 もう少し現代的な方法は「理念の共有」です。そもそもチームとして、あるいは個人として成功することを希求したいものです。なんとなく安定の日々を過ごすのではなく、規模の大小に関わらず、成功を定義して達成を目指したいと思います。

 基本的なことですが、意外と忘れられがちなので、まずは成功した状態を目的として明示しましょう。次いで、マーケティング部門のビジョンやパーパス、つまり大義や存在意義を示しましょう。併せて、ミッションやバリューなど役割や行動規範を明示するのもいいアイデアです。

 理念を共有できれば、一緒にがんばりやすくなります。同じ釜の飯を食うように長い会議に出なくても大丈夫です。ブランドマネジメントの部門全員で心底共感し、共有できる理念をつくり、浸透させましょう。この理念が、善悪判断の基準として使えます。

 基本的には、理念の実現に資するのであれば「善」、そうでなければ「要改良」です。これで、目的と理念にもとづく団結を期待できます。とはいえ、教条主義的・原理主義的にならないよう注意が必要です。原理主義的な正義では、律することが目的化してしまうこともあるでしょう。

※後編に続く
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