[Agendaスペシャル] スポーツ・スポンサーシップの幸福なカタチを探る #07
JALがスポーツ協賛を強化する理由【東京五輪 インタビュー】
2018/07/03
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2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツをマーケティングに活用する企業が増えている。その効果や可能性について、さまざまなイベントや競技団体、チーム、アスリートを支援している日本航空(JAL)の 東京2020オリンピック・パラリンピック推進部 大会ムーブメント推進グループ グループ長の阿川淳之氏と、宣伝部 運営グループ グループ長の中山和之氏に話を聞いた。
障がい者スポーツへの協賛は使命、ビジネス的な効果も
-JALが、さまざまなスポーツをスポンサードしている目的は何でしょうか。
中山 一番の目的は、企業イメージの向上です。スポーツが持つ魅力、可能性に注目しており、私たちのブランディングの方向性と合致する要素が多いと考えております。特に、私たちはありたい姿で訴求したい企業イメージとして「プロフェッショナル」「スピーディー」「チャレンジ」という3つの言葉を掲げておりますが、どれもスポーツとの親和性が高いと言えます。
-具体的に、どのような活動をしているのでしょうか。
中山 大きく2つの取り組みがあります。ひとつは、ユニフォームや試合会場などで当社のロゴを掲出し、そのスポーツのスポンサーでありサポートしていることを認知してもらい、スポーツが持つ良いイメージと重ね合わせる形でJALに良いイメージを持ってもらうということです。例えば、日本サッカー協会、日本体操協会、日本陸上競技連盟、全日本柔道連盟、日本山岳・クライミング協会などへのスポンサーがそれにあたります。
もうひとつは、単なるロゴ掲出だけでなく、オリンピックやパラリンピックはじめさまざまなスポーツイベントを活用した当社のブランディング活動に、競技団体やアスリートを巻き込む形で、具体的なアクティベーションを行っていくことです。
阿川 たとえば、日本財団パラリンピックサポートセンターと共同で実施している「あすチャレ!School」では、全国の小・中学校、高校で、パラリンピックの競技を実際に体験できる出前授業を行っています。パラリンピック競技やパラリンピアンとの触れ合いを通して、子どもたちの障がいへの理解を広げながら、JALと子どもとの接点をつくっています。
さらにパラリンピックに出場するアスリートの発掘事業も行っています。パラリンピックを目指す人は少ないうえ、競技者が高齢化しているという課題があります。そこで障がいのある人の運動能力を測定して、少しでも可能性がある場合は競技団体を紹介し、可能性が低い場合でも、運動する習慣をつけてもらうため、近くのスポーツ施設を紹介するといった活動をしています。
-なぜ、障がい者スポーツへのスポンサードを意識して強化しているのでしょうか。
中山 企業としての使命だと考えています。メディアからの情報発信も増えてきましたが、まだ国民にとって障がい者スポーツは身近な存在ではありません。私たちのできる範囲ですが、障がい者スポーツへのスポンサードを強化し、アクティベーションを実施していくことで、パラリンピックも盛り上げていきたいと考えています。