ミレニアル世代の旗手たち 徳力基彦インタビュー企画 #20
サイバーエージェントと、スマートニュースで学んだ「ファン目線」の大事さ
2020/10/07
鈴木健氏の一言で、スマートニュースに転職
徳力 サイバーエージェントでは、ずっとその仕事をしていたのですか。
山崎 いえ、2年経ってからは、渋谷クリップクリエイトという新会社の設立に手を挙げて、参画しました。当時はYouTubeの広告の仕様が固まり、大手企業がテレビとYouTubeの併用を始めたころでしたが、サイバーエージェントには動画を企画する会社がなかったんです。
そこで、放送作家の鈴木おさむさんを社外取締役に迎えて、シェアされて話題になる動画の企画制作をする子会社をつくったんです。
徳力 なるほど。そこで明確にマーケティング領域に踏み込んでいくわけですね。
山崎 そうです。サイバーエージェント本体の営業担当に同行して、クライアントに企画をプレゼンするといったことを最後の1年でやりました。
その事業はすごくおもしろかったですね。例えば、ゲームのプロモーションでは、ゲーム公式の紹介映像よりも、YouTuberがゲームを紹介した方がずっとユーザーに届きやすいんです。
また、YouTuberの攻略動画を見てからプレイすると、初めからどう楽しめばいいかが分かっているから、滞在時間も上がります。鈴木おさむさんからもアドバイスをたくさんもらいました。
徳力 サイバーエージェントでの経験は、トータルで3年ほどですね。転職しようと思ったきっかけは何ですか。
山崎 事業が黒字化したタイミングで、ふと次どうしようかな、と考えたんです。このままさらに事業を大きくするのか、サイバーエージェントで別のチャレンジをするのか。でも、どちらもしっくりこなくて・・・。
徳力 山崎さんは、直感に従うタイプですね。
山崎 そうですね。そのとき、エージェントの紹介でスマートニュースCEOの鈴木健さんに会いました。そうしたら、鈴木健さんが「山崎くん、アメリカの大統領選はどう思う?僕はここが論点だと思っていて・・・」と語り始めて、「おお」と驚きました。
徳力 そんな人に会ったことが、なかったでしょうからね(笑)。
山崎 そうです。「山崎くん、フィルターバブルとフェイクニュースについて、どう考えている? フィルターバブルで本来見えるものが見えなくなり、そこにフェイクニュースがのっかると、国は分断してしまう。それをスマートニュースで変えたいんだよね」と言われて、「やりましょう」と答えていました。
僕自身も、インターネットが普及して本来、起こるべきではないことが起きてしまっている現状や、自分自身で行動して世の中を変えなければならない時代が来ると感じていたので、そこで挑戦してみようと思って入社しました。